WhatsAppは、全世界で20億人以上が使用する世界最大のメッセージング・アプリです。2014年にFACEBOOKが190億ドル(約2兆円)で買収しました。今では知らない人も多いですが、他のメッセージング・アプリが広告に埋もれているのを批判し、当初は有料アプリでした。しかしながら、2016年1月より無料化されました。
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イーロン・マスクがツイッターで呼びかけ
今回のニュースは、WhatsAppがその膨大な顧客情報を、親会社であるFACEBOOKと共有するという噂に発したものです。FACEBOOKは当然、広告モデルで収益化をしていますので、とうとうWhatsAppをそのために活用するのか、ということで大きな話題になっています。
世界の資産家ランキングのトップに躍り出たイーロン・マスクは、FACEBOOK嫌いを公言して憚りませんが、自身のツイッターで、オープンソース・ベースのメッセージングアプリ「Signal」を使おうとフォロワーに呼びかけました。こうした動きもあって、Signalの新規ユーザー数が急騰し、認証手続きに遅れ等の障害が出ているとか。。
こうした事態に慌てたWhatsAppは、顧客情報の取り扱いはこれまでと何も変えないというメッセージを発出しましたが、詳細は来月に予定されているポリシー変更の詳細を見るまでは、何とも言えなさそうです。
EISの考察
- 独占・寡占的な立場にある大手ITプラットフォーム企業による顧客情報の取り扱いは、欧米を中心とするユーザーにとって非常にセンシティブな問題になっている
- 米国、欧州政府は、独占禁止法、個人情報取り扱い又は課税強化の観点から、大手ITプラットフォーム企業への規制・取締りを強化しており、政治的にもホットなトピックになっている
- コマース、エンタメを始めとして、あらゆるサービスが大手ITプラットフォームに集約化され、ユーザー利便性が向上する一方で、当局及び一部の先進ユーザー(イーロン・マスクを含む)によるプラットフォーム離れの兆候が見え始めている
- オープンソースかつ公的なプラットフォームを作り、活用しようとする動きが予想以上に早く進んでいくかも知れず、そうした動きにも注視すべき