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メタバース、人はアバターに何を求めているのか

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昨年に引き続き、今年もメタバースの躍進から目が離せませんが、そんなメタバースを語る上で欠かせないのが「アバター」です。調査会社Morning Consultによると、7割弱のZ世代がメタバースでの楽しみはアバター作成だ、と回答しています。では一体、どのようなアバターがユーザーを惹きつけるのか、まずはユーザーの欲求を読み解く必要があります。

目次

自分自身を忠実に表現したい

人種

自分の肌の色や人種がアバターの選択肢にない場合、自分の人種はこのメタバースにいてはいけないように思え、一種の差別と感じるでしょう。アバター作成ツール大手、Ready Player Meでは、自身の写真をもとに豊富な肌の色から自動的に選択されアバターが作られます。人種のダイバーシティに配慮した仕様と言えるでしょう。

Ready Player Meでは髪色や髪型も自動的に再現 / photo credit: Ready Player Me

ジェンダー

例えば、クエスチョニング(LGBTQの“Q”)といった自身のセクシュアリティをはっきりと定義していないユーザにとって、男性か女性のどちらかを選択させるようなアバターでは不快感を抱くことでしょう。多くのメタバースでは、男女以外の選択肢(Don’t Specify等)を用意したり、またはジェンダーの選択項目は用意せず、代わりに豊富な服装や髪型の選択肢を設ける等して対応しています。

P&Gのメタバース LIFE LABでは男女の概念を設けていない/ photo credit: P&G

体型

MIT Technology Reviewによると、自称おデブのあるゲーマーが自身の体型をアバターで再現しようとしたところ、体を太らせようとしても服が破裂したり、胸がある男性アバターは作れなかったりと、自身の体型を再現できなかったようです。人の数だけ体型の種類もあるため忠実な再現は難しいですが、近頃は体型の種類も豊富になってきています。Z世代に人気のメタバースZEPETOでは22種類もの体型が存在します。


選べる体型の一部 /  photo credit: ZEPETO

現実世界とは別の自分を表現したい

前述の「自分自身を忠実に表現したい」とは全く逆を行く欲求です。ここで言う「別の自分」には大きく2つの意味があります。ひとつは、自分の憧れや好みを体現したいケース。実際に、VRChatのインフルエンサーが集計した調査によると、ソーシャルVRの男性ユーザーの内、8割は女性アバターを利用しているそうです。その理由はアバターの外見が好みだからといったものが最も多く、メタバースだからこそできる特権でしょう。

そしてもうひとつは、現実世界でのアイデンティティに囚われたくないケース。悲しいですが、女性や人種的マイノリティに対するオンラインハラスメントは日々起こっており、あえて別のジェンダーや人種を選ぶことが自己防衛となるのです。


このような状況からか、リーガエスパニョーラのメタバースGreenParkでは、人の姿をしていないアバターを採用しています。女性とはわからないために、男性が多いサッカーファンコミュニティでも発言しやすくなったりと、彼女らが純粋に楽しめるよう配慮されています。

GreenParkのアバターはスキンを用いればユーザーの裁量で男女差を表現できるが、 デフォルトのアバターは男女差がわかりにくくなっている / photo credit: GreenPark

以下、EISの考察です

  • メタバースを展開する時には、ターゲット層がアバターに何を求めているのかを事前に把握する必要がある。例えば、職場がユースケースの場合、自分自身を忠実に表現できるアバターがより求められるだろう。
  • メタバースの拡大に伴い、アイデンティティツーリズム*が問題視されるだろう。たった数時間、異なるジェンダーや人種のアバターになりきるだけで、特定のアイデンティティを完全に理解したといった勘違いが起こりやすい。
  • アバターの今後の展開によっては、近年根付きつつあったボディポジティブ**に影を落とすことになる。アバターで憧れの体型を簡単に体現できてしまうことで、本来の自分の容姿を受け入れられなくなり、最悪の場合はメンタルヘルスにも支障を来す可能性がある。
  • 上記のアイデンティティツーリズムやボディポジティブに反する動きは、アバターの仕様だけでは止めきれず、啓蒙活動が必須である。

アイデンティティツーリズム:娯楽目的で自分とは異なるジェンダーや人種を体現すること

ボディポジティブ:非現実的な女性の美の基準から離れ、自分の体を美しいと受容すること

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