Amazonは、第一四半期の利益の40億ドル(約4,160億円)をCOVID対策に投じると発表しました。新型コロナの影響で、Amazonは文字通り、全米のみならず、世界の人々のライフラインとなりつつあります。Vaccinated Supply Chain、つまり、ワクチン接種済みのCOVIDフリーサプライチェーンの構築という野望にはどのような意図があるのでしょうか?
目次
以下、EISの考察です。
- 世界的なプラットフォーム競争で圧倒的な優位に立つ
→ 現在のところ、商品調達からラストマイル配送まで完全なサプライチェーン(商流)をコントロールしているのはAmazonのみ
→ 他の主要プレイヤー(Walmart、Appleなど)は、Amazonに追いつけ追い越せの状態にあるが、サプライチェーンへの「ワクチン(COVID-19フリー化)」に40億ドルもの投資を決断することで、圧倒的な競争優位の確立を狙う - ブレない経営姿勢で、大手投資家に疑う余地を与えない
→ 一部の政府や社会は、Amazonの独占的な立ち位置を警戒し、規制や批判を強めるが、Bezosは「店舗、従業員、顧客」第一主義を徹底することで、圧倒的な支持を受ける
→ 株主に全く忖度しない姿勢を貫くことで、逆にマーケットの信頼を得る。
→ 「Amazonの株価は7%下落した。その喪失価値は、なんとBoeingの株式総額に匹敵する。にもかかわらず、全く動じずに、こうした経営判断を即決できるCEOは、Bezos以外にいない。Wall Street(の大手投資家たち)は何年もこう→ した姿勢を見てきたので、ただBezosを信じるだろう(よってAmazon株は買いに戻り、復活していく。。。」 (今年5月時点の記事) - 今の、世界の経営者にできることは、Bezosの戦略を注視し、少しでも遅れをとらない、取り残されないようにすることだけなのかも知れません。一部でも「Vaccinated Supply Chain」戦略に倣うことが出来るプレイヤーがいるとしたら、それは、FedexやUPS、Prologis、日本で言えば、日本郵便、日通、ヤマトぐらいでしょうか。
引き続き、Amazonの戦略、というよりも、ジェフ・ベゾスのビジョンと行動には、一挙手一投足に注視が必要です。