アメリカと聞けば、西はロサンゼルス、東はニューヨークという2大都市を思い浮かべる人が多いでしょう。今回は私たちのオフィスがあるロサンゼルスから離れ、ファッション、芸術、経済の発信地であるニューヨークで、話題のアート展覧会に足を運んできました。
データ駆動型オーディオxビジュアルアート:Arte House
Chelseaと言えばアートギャラリーや芸術系のイベントが沢山あることで有名です。Chelsea Marketの中に新しくできた、革新的な体験型アートを提供するArteHouseでユニークな試みをしている展覧会が開催中だったので、足を運んできました。
5月末まで開催中のTrustは、データ分析を通じて、歴史的なニュースや経済指標がどのように人々の「信頼」に影響を与えたかを観察し、将来的にどのように進化しうるかを考察する、データ駆動型のオーディオビジュアルエキシビションです。過去・現在・未来という3軸で信頼の有無が私たち個人の認識をどのように変化させるかデータポイントを使って検証し、高解像度プロジェクションやハイパーリアル・イマーシブ・サウンド技術などを駆使して、感情レベル分析を芸術的ビジュアルに変換し表現するというユニークな試みをしています。
インタラクティブなアートで気候変動が学べる:Arcadia Earth
昨今、気候変動や環境問題への取り組みが世界中で行われ、それが芸術の世界にも波及しています。Arcadia Earthでは、気候変動とサステナビリティをテーマに、インタラクティブな要素を盛り込んだ鮮やかなインスタレーションが展示されています。
Arcadia Earthでは正しい情報を美しい体験型アートを通じて来場者に伝えることで、インスピレーションを与え、気候変動支援コミュニティの活性化や環境問題への取り組みを再考するようにデザインされています。来場者はアプリをダウンロードし各展示品に紐付けされたQRコードを読み取ると、ARカメラで写真が撮れたり、詳細情報やクイズを通じて自分の小さなライフスタイルの変化が、地球の未来にどのような影響を与えるかをインタラクティブなアートや展示を通じて学ぶことができます。
話題のインスタグラム美術館:Color Factory
昨今のソーシャルメディアブームで、写真映えするスポットやインスタレーションが街のあらゆるところで見られるようになりました。Color Factoryは、その名の通り色彩をテーマにしたポップな体験型美術館で、ミレニアル世代やZ世代といった若年層に大人気です。インスタ映えする写真が撮れるのはもちろん、インタラクティブで没入感ある空間に浸れる体験が、色によって感じられる感情や知覚の境界線を広げ五感を刺激するようにデザインされています。写真を撮ること以外にも、友達同士でお互いのイメージを色で表現するワークショップがあったり、サイレンスディスコがあったりと、セクション毎に異なる体験や思い出が作れるようになっていました。
日本ではTeamLabが有名ですし、ゴッホの没入型アートエキシビションは世界中でも話題になりました。これからもAR/VRやプロジェクションマッピングを活用した体験型アート施設や展示会の人気は衰えることはないでしょう。これからアートの世界だけでなく、あらゆる分野でどんなイマーシブ体験が我々に刺激やインスピレーションを与えてくれるか楽しみです。