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クワイエット・クイッティングはZ世代からの警鐘

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ここ2週間ほどアメリカのメディア各社がこぞって取り上げる「クワイエット・クイッティング(Quiet Quitting)」、日本のメディアでも取り上げられ始めています。直訳すると「静かな退職」を意味しますが、実際は「必要最低限の仕事はこなすが、心理的に仕事から遠ざかっている状態」を指します。Gallup社の調べによると、2021年から従業員のエンゲージメントは低下し続けており、2022年の第二四半期は過去10年間で最低値を記録、アメリカの労働者の半数がクワイエット・クイッティングに該当する、と言われています。

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クワイエット・クイッティングの火付け役、TikTok

今年7月、@zaidleppelinのTikTokの投稿によって、一気にこの考えに火がつき、特にZ世代の間で強く支持されています。この投稿では、ニューヨークのビル群や地下鉄を背景に「与えられた仕事はきちんとこなすけれど、ハッスル文化(がむしゃらに働くこと)はもうやめよう」と疲れ切った若者に優しくアドバイスしています。

Quiet Quittingという言葉・概念が浸透する火付け役になったビデオ

「半年前からクワイエット・クイッティングを始めているが、給料も評価も同じで、ストレスが減った」とこの投稿に寄せられたコメントには1万以上のいいねが付けられており、Z世代の多くが同様の考えを持っていることが読み取れます。

リモートワークがZ世代をクワイエット・クイッティングに走らせた

一般的に職場のストレスはワークモチベーションとの乖離によって起きます。人によってそれぞれですが、NSHSSの Z世代を対象にした2022 年キャリア関心調査によると、Z世代の3分の2が「キャリアアップのためのスキルを学べること」をワークモチベーションにしています。これが満たされない時には、本来だと上司と対話して業務内容や職場環境を改善してもらうことで解決するのですが、リモートワークによって有意義な対話が難しくなっているために、「生活するためだけの仕事なんだ」と仕方なく割り切る、つまり一時的な解決策としてクワイエット・クイッティングを余儀なくされているのです。

オフィスを求めるZ世代

Business Insiderによると、フルリモートを好む20代は25%以下でこの割合は他の世代と比べ最も低い値を記録。実際に筆者の周りの働くZ世代にリモートワークについて聞いてみたところ、以下のような回答が返ってきました。

ZOOM会議はミーティングベースで設定されているから業務内容がメインで、雑談もしにくくて中々チームに馴染めない

チームメンバーに一度も直接会ったことがなく、赤の他人のように思えてしまって仕事やチームメンバーに対しての責任感が希薄になっている

一方で、PwCの調査によると、社会人経験が5年以下の層は他の層より頻繁にオフィスで仕事することを望んでいます。これは前述した職場での人間関係を構築したいという思いがデータに表れた結果でしょう。

以下、EISの考察です

  • クワイエット・クイッティングを避けるためには、相手個人を知れるようなコミュニケーションが必要。ZOOMミーティングで行っているアウトプットをベースとしたコミュニケーションではなく、雑談から相手の趣味や仕事観を理解することで信頼関係を築くことができる
  • 今日、Z世代はリモートワークで働ける事実を知ってしまっている。そんな彼らがオフィスにわざわざ来たいと思うようなインセンティブも会社側は検討すべき。もちろん、楽しいメンバーとのおしゃべりがインセンティブなのが一番の理想だが、他にはケータリングランチを用意したり、社内でレクリエーションを催したり、と工夫が必要である
  • 日本でも同様な流れは訪れている。特にZ世代は新卒入社とCOVID-19パンデミックの時期が重なり、最もセンシティブな新社会人の時にリモートワークが余儀なくされ、職場での関係構築が非常に難しい状況に置かれている
  • 転職したての従業員も新しい職場での信頼関係に悩み、クワイエット・クイッティングに走る可能性が高い。新しいチームメンバーにも上記に挙げた対応が求められる

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