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国際社会問題とSNS 〜音声メディアが切り拓く新たな世界

このインサイトについて、さらに詳しく動画で解説しています(15:53)

イスラエルとハマスの交戦が続く中、5月17日から8日間に渡り合計45万人が参加した中東和平問題についての意見交換会が音声アプリのクラブハウス(EISインサイト#21)で実施されました。18人のパレスチナ人とイスラエル人の若者が“Meet Palestinians and Israelis”というチャットルームを立ち上げ、モデレーターとして数時間毎のシフトを組み、参加者から実体験の共有や、中東和平問題に関する意見を引き出しました。

2004年創業のフェイスブック、2006年創業のツイッターが国際社会問題に影響を与える起爆剤となったのが、2011年初頭から起きた「アラブの春」です。SNS上ではかなり過激な画像・映像や意見が掲載され、情報の信憑性に関する問題提起や賛否を引き起こしたが、国際社会の出来事に世界中の多くの人の目を向けるきっかけとなったことは間違いありません。

国際社会問題にSNSが大きな影響を与えた例:

目次

アラブの春

  • 2011年初頭から中東・北アフリカ地域の各国で本格化した一連の民主化運動
  • 反政府運動に参加した民衆がフェイスブックやツイッターを活用して連帯と情報共有を図ったことで国境を越えて民主化運動が拡大
  • チュニジア、エジプト、リビアで政権交代、なたその他の国でも政府が民主化デモ側の要求を受け入れることになった

#BlackLivesMatter

  • 2012年にアフリカ系アメリカ人の黒人少年トレイボン・マーティンが白人警官ジョージ・ジマーマンに射殺された事件を契機とし、SNS上でハッシュタグ#BlackLivesMatterが使用され始めた
  • 2020年にアフリカ系アメリカ人の黒人男性ジョージ・フロイドが白人警官デレク・ショーヴィンの不当な拘束方法により殺害された様子を撮影した動画がSNS上に投稿されると、一気にハッシュタグ#BlackLivesMatterが拡散。2013年1月から2018年5月までの間で約3,000万回の投稿に対して、事件後1週間で5,000万回使用された

#IceBucketChallenge – ALSアイスバケツチャレンジ

  • 2014年にALSの研究支援を目的として、バケツに入った氷水を頭からかぶる、又はALS協会に寄付をする運動。フェイスブックを通じて社会現象化
  • ALS協会への寄付金が増加するとともにALSの認知度向上に寄与

#MeToo Movement

  • 2017年に女優アリッサ・ミラノがセクシャルハラスメントや性的暴力を受けたことがある女性に対して「Me Too」とリプライするようツイッター上で呼びかけた
  • ハッシュタグ#Me Tooが1,900万回以上使用され世界中に拡散

#FarmersProtest – インド農家抗議デモ

  • 2020年にインド政府が農業市場を自由化する法律を制定したことに対して、インド農家が大規模な抗議デモを実施
  • 歌手のリアーナや環境活動家グレタ・トゥンベリ、ハリス副大統領の姪で弁護士のミーナ・ハリスら著名人がツイッター上でインド政府を批判するツイートを投稿したことで、SNS上でインド政府への批判が拡大
  • 抗議活動は現在も継続中

現在インスタグラムで見られる、それぞれの社会問題への投稿数
現在インスタグラムで見られる、それぞれの社会問題への投稿数

以下、EISの考察です

  • 近年、特にCOVID-19のパンデミックにより、人々は「自分が大切にしている価値観は何か?」、「自分はどう世界に貢献できるか?」と自問し、日々の生活、仕事、購買行動などライフスタイル全般において、社会的な目的や使命(パーパス)を求める傾向が強くなっている
  • 世界のグローバル化が進む中、海外で起きている様々な社会問題に関して、自分には現実味がない他人事では済まされなくなり、その中には人為的要因による問題も多く、自らのライフスタイルを見直す人々(特にミレニアルおよびZ世代に多く見られる)が増えている
  • その状況下、クラブハウスの様な音声アプリが提供する、「目的や課題を共有する者同士がリアルタイムでとことん意見交換をする環境」は、既存SNSよりも臨場感があり人々に与えるインパクトが大きく、草の根民主主義を推進するプラットフォームに発展する可能性が高い
  • これからのグローバル時代を生きていく私達としては、この様な動きにアンテナを張り、時には自分の考えを発信していくことが大切である

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