2021年初頭に盛り上がったAR/VR市場ですが、2022年のAR/VRヘッドセット出荷は減少し、現在も沈静化が続いている状況です。しかし、予測では2027年には2140万台に増加することが期待されています。今回は、リーディングプレイヤーとなるApple、Metaの動きをご紹介しながら、次の動きを考察します。
リーディングプレイヤーとなるApple、Metaの動き
Apple Vision Pro
Appleは、2023年6月のWorldwide Developers ConferenceでVision Proを発表し、米国で2024年初旬に購入可能になる予定です。エントリー価格は3,500ドルと、ハイスペックユーザー向けの製品です。
Vision Proは自分が今いる場所(現実空間)に軸足を置きつつ、その空間上で3D写真や映像などを楽しんだり、アプリのウィンドウを並べて作業したり、離れた場所にいる人とコミュニケーションしたりといった使い方です。以下の様な利用シーンを想定しています。
- 現実世界にデジタルを表示する
- 大迫力の動画を視聴する
- 3Dカメラで撮影する
- 3Dゲームやコンテンツを体験する
- PC、モニタとして利用する
- FaceTimeで通話する
- 用途に合わせた没入レベルに調整する
Meta Quest 3
Metaは、2023年10月に最新の Quest 3を発売しました。Meta Quest Pro と比較して、プロセッサやディスプレイ、カメラなどの性能が強化されています。また本体が薄くなったため、軽く感じられるようになっています。エントリー価格は499ドル(日本では74,800円)と安く抑えられていることも特徴です。
Ray-Ban Meta Smart Glasses
MetaはQuest3の発売と同時に、Ray-Banと共同開発したスマートグラスを発表しました。Ray-Banの優れたデザイン性にカメラとオープンイヤーオーディオを搭載し、ソーシャルメディアでのシームレスなシェアが可能です。価格は299ドルからで、米国で2023年10月に発売されました(執筆時点では日本発売しておりません)。
以下、EISの考察です
- AR/VRは、これまでの汎用的な製品から利用用途特化型に進んでいる。主要用途であるゲームに加え、Apple Vision Proのようなビデオコミュニケーション、プログラミング向け、そしてMeta Ray Ban Glassesのように写真投稿やライブストリーミングのようなSNSを意識した活用を見いだしている。
- 製品機能も向上しており、重い、タイムラグが発生するため酔いやすい、インターフェースがこなれていないといったことも改善されてきており、一般ユーザーが使える状態になりつつある。
- 浸透にはターゲットである若者が日常生活体験に組み込めるかが鍵となる。これからのトレンドを確認するために、今から試しておくのは良いのではないか