「Z世代はググらない」が日米ともに昨今ニュースサイトで話題になっています。実際にGoogleの調べによると、Z 世代の 40% 近くが ランチの場所を探すときはGoogle よりも InstagramやTikTokで検索するようです。Instagramもこの波に乗るかのように、地図検索機能を先月ローンチしました。Googleマップ同様に周辺地からレストランやアパレルショップを探すことができます。その場所の情報にはタグ付けされた全ての投稿が紐づけられており、レストランであれば内観や食事の写真をシームレスに閲覧できます。
しかし、本当にZ世代はググらないのでしょうか。答えはググらないではなく、複数のプラットフォームをカスタマイズしているのです。ここで従来とイマドキのZ世代の検索方法を比較してみましょう。
1. 複数のプラットフォームをホップ
従来は検索と言えばGoogleでしたが、今やSNSの普及もあり検索できるプラットフォームは多岐に渡っています。ホップするからこそ、消費者は各プラットフォームでのブランドのプレゼンスを確認することができます。「このブランドってホームページはおしゃれだけどInstagramはイケてないから買うほどではないよね」と判断されかねないのです。
2. 目的によって異なる検索方法
「Google先生」と崇められていた時代も終わりを迎えようとしています。SEO対策により欲しくない情報が検索上位にあがり、自分が本当に欲しい情報が埋もれてしまう経験はないでしょうか。イマドキのZ世代は、自分が本当に欲しい情報をどうやって手に入れるかを知っており、検索目的によってプラットフォームを使い分けているのです。
3. 十人十色な検索方法
検索目的によってプラットフォームを使い分けるものの、ファッションならInstagram、レストランならTikTok、と万人共通ではありません。人それぞれで検索目的とプラットフォームのペアリングは異なっています。
4. 購入までの一時停止
皆さんも一度いいなと思ったブランドでもその場ですぐに購入とはならないのではないでしょうか。この人間の摂理はZ世代だろうと変わりありませんが、プロセスに違いが現れています。従来だとGoogleでブックマークして何度かWebページを訪れて購入に至っていましたが、Z世代はブックマークの代わりに、SNSのフォローやSave機能を使って何度もブランドのアカウントページを再訪しているのです。
では、企業はこういったイマドキのZ世代に向けてどのようにアプローチしているのでしょう。アメリカのZ世代に人気のアパレルブランドReformationもこの数年で変化をとげています。2年前はInstagramらしく“映え”を重視していましたが、映えだけではブランドと消費者の距離が遠く、親近感が湧きません。ブランドのパーソナリティを出すようなオモシロ動画やブランドストーリーを説明する投稿を織り交ぜることで、ブランドとのコネクションパスを消費者に差し出しているのです。
以下、EISの考察です
- Z世代の関心を惹き彼らに支持されるためには、彼らが日常的に利用する複数のSNSでブランドの発信をする必要がある
- 複数のSNSをホップしながら購買の意思決定を行うZ世代に対しては、全てのメディアで彼らの好感を得るための一定レベル以上のクオリティを維持する必要がある。但し、全てのSNSでバズるのは現実的ではなく、「このブランドはちゃんとしているな」まずは「購入しても大丈夫だ」と安心感を与えられるだけの投稿数やフォローワー数を目指すべきである
- SNS運営開始からしばらく経つと、TikTokはコンバージョンが良いが、Instagramはコンバージョンが悪い、などプラットフォームによっての良し悪しが見えてくる。そこからはプラットフォームによってかける力の強弱を分ければ良い