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メッシ加入で盛り上がりを見せるアメリカのサッカー市場

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バロンドール過去最多7回受賞、サッカー界の歴史を築いてきたリオネル・メッシがアメリカのサッカーリーグMLSのインテル・マイアミに加入することが6月に決定的となりました。発表後、すぐにチケットの値段は1,400%以上値上がり、わずか24時間でクラブのInstagramのフォロワー数が500万人以上増えるなど、すでにメッシ移籍の効果は絶大なようです。

サウジアラビアからの2年半で12億5,000万ドル(約1,750億円)という巨額オファーやヨーロッパのチームからのオファーに対してインテル・マイアミはどのようにメッシをMLSに呼んだのでしょうか。今回のCoffee Breakでは現地アメリカからサッカー界を揺るがしたメッシ移籍報道についてお伝えします。

目次

どのようにメッシを呼んだのか

MLS側の動き

特別指定選手制度

2007年にベッカムが加入してから、MLSは多くのスター選手を受け入れてきました。それを可能にさせたのは、ベッカムの加入を受け入れるために設けた特別指定選手制度でした。今回のメッシ移籍でインテル・マイアミは特別指定選手制度を使用し、メッシを獲得しました。

特別指定選手とは

メジャーリーグサッカーの各選手にはサラリーキャップ(年俸総額の上限制度)が導入されていますが、各クラブが選手のサラリーキャップの範囲外で最大2人まで獲得することを認めたのがこの制度です。ティエリ・アンリ、スティーブン・ジェラード、フランク・ランパード、アレッサンドロ・ネスタ、カカー、ディディエ・ドログバ、アンドレア・ピルロといったワールドクラスのトッププレーヤーも、特別指定選手制度を利用しています。

チームオーナー権

ベッカム移籍の際には将来リーグに新規加入するチームを購入できるオプションを与えました。2014年にベッカムはのちのインテル・マイアミ(メッシ加入チーム)となるチームを購入しています。同チームの他オーナーには、マイアミを本拠に活躍するビジネスマンのマルセロ・クラウレや孫正義、ホルヘとホセのマス兄弟などがいます。2,500万ドル(約35億円)のオプション購入代を支払ったベッカムは、今やその40倍以上の価値を手に入れています。まだ詳しいことは明らかにされていませんが、メッシにもチームを購入できるオプションが与えらていると報道されています。

Adidas、Appleなどの大手企業側の動き

1996年以来、MLSの全チームにキットを供給しているAdidas

メッシに対してはAdidasからもMLS移籍に伴う利益分配契約を提示されており、ユニフォームの売上など、メッシがMLSに移籍したことに伴うアディダス社の利益の一部を受け取るというオファーが提示されています。これまでバルセロナやPSGなど、Nikeがメインスポンサーのチームでプレイをしていたメッシですが、初めてAdidasのウェアでシーズンを通してプレイをすることになるので、Adidasは宣伝効果を期待しています。

MLSを世界的に放送するために10年総額25億米ドルの契約を結んでいるApple

Appleの行うストリーミングパッケージである「MLSシーズンパス」の新規購入者が大幅に増加するとAppleは見積もっており、それらの新規購入者から得られる収益の一部がメッシに提供されます。
Appleは2022年、MLSと10年間にわたるリーグ戦全試合をストリーミング配信することを認める契約を25億ドルで結んでいます。リーグレベルのメディアスポンサーからの契約金は世界でもでした。

コンテンツとしてのMLS

MLSの盛り上がり

Image Credit: Startup Talky

世界で売上トップのスポーツリーグ10リーグ中4リーグはアメリカのリーグが占めており、世界でもアメリカのスポーツリーグはとても大きな市場です。4リーグのみで売上は431億ドルを超えています。これまでは、Big4と呼ばれるMLB, NBA, NFL, NHLが圧倒的売上高でしたが、MLSもスポンサーシップの収益では、NHLとの差は$100M以内になっています。(下図)

Image Credit: IEG Sponsorship Intelligence Database

2026年にはアメリカで開催が予定されているワールドカップを含め、今後更なる盛り上がりが期待されます。

テック企業との関わり

Appleが、メッシの移籍に関わってきたようにApple以外のビックテック企業も成長を続けるMLSを含めたスポーツリーグをコンテンツとして取り込む動きに注目が集まります。

Youtube

Youtubeは、2023年から7年間NFLの放送権を獲得しています。2021年に契約した11年間1100億ドルの放送契約にさらに上乗せされる契約となり、世界で最も高額なライブスポーツ放映権となりました。

Amazon

10年間で100億ドルを支払い、木曜夜のNFL放送権を獲得しました。

Netflix

”スポーツの生中継事業に乗り出している”と内部関係者からの発言がありました。まだ具体的なことは明らかになっていませんが、NBAなどにフォーカスしたドキュメンタリーを作品として出しているNetflixも今後どう動くか目が離せません。

スポーツが大きなビジネスとなるアメリカ市場。サッカーは4大スポーツから遅れをとっていましたが、メッシの加入とビッグテックやスポーツ企業の投資も相まって、今後より一層大きな市場に成長することが期待されます。

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