本サイトでも1月に言及したChapGPTの勢いが加速しています。今年に入ってからでも以下の大きな動きがありました。
- マイクロソフトがOpenAIに100億ドル投資(1/24)
- 有料版「ChatGPT Plus」を発表(2/1)
- ユーザー数が史上最速で1億人に到達(2/3)
- マイクロソフトが検索エンジン「Bing」へのAI導入を発表(2/7)
- OpenAIがGPT-4を公開(3/15)
- MicrosoftがOffice製品でChatGPTを利用できるCopilotを発表(3/15)
ビルゲイツもブログで「The Age of AI has begun」(AIの時代が始まった)と言及するなど、本格的にAIを実用化する時代が到来しています。これまでのAIとの違いは、対話型であるため汎用性が高く、多くのビジネスユーザーがいる点です。すでにマーケティング、要約、翻訳、プログラミング等の分野でChatGPT利用者と非利用者の間での圧倒的な生産性の差が明らかになりつつあります。
本記事は、弊社でも活用している事例を通してChatGPTを紹介いたします。
マーケティングへの活用
上記画像は、弊社の自主事業の一つであるShikohinで、担当者がブランドラダー(ブランドのすべての利点を最終顧客に伝えるために使用するマーケティングツール)を対話型で構築した際の最初の質問文です。
ChatGPTにCMO/ブランドマネージャーの役割を与えることにより、これまでだとマーケティング専門家を雇用しないとできなかった、顧客ペルソナ、SWOT分析、競合他社との差別化、ブランド監査、ブランドメッセージワークショップを実施できます。この結果、ブランドラダーの品質が劇的に向上しました。弊社の担当者曰く、「もはやChatGPTを利用しないマーケティング専門家と仕事しない」とまで言い切っています。
人材採用への活用
人材募集要項も作成できます。上記画像はMaaSソリューションの営業を募集する要項になります。こちらに、会社のビジョン・ミッション、追加したい業務内容、勤務地、給与水準、差別化する上で必要なポイント等をChatGPTに指示していくことにより、30分もあればドラフトの募集要項が作成できます。
注意点
- リスクはある
- 出力データは嘘を言っているかもしれない。嘘を検証するリテラシーが必要
- ChatGPTにインプットしたデータは再利用される可能性がある。事業計画や守秘義務の情報を投入するといつか漏れるかもしれない
- この2-3年で今後20年のITの同行が変わるかもしれない。試さないことには意味が無い
以下、EISの考察です
- ChatGPTにより個人の生産性が劇的に変化する。ただし、事例のように実用に満足できるアウトプットを期待できる一方、出力には誤りも多く含まれているため、使いこなすためにはChatGPTの出力を評価するリテラシーと、正しい回答を得られるまで粘り強く対話するリテラシーが求められる
- ビジネスパーソンにとっては職業がなくなる危機でもある。ChatGPTに置き換わられる職業は、データ入力などの単純作業に加え、翻訳者やマーケター、コピーライター、アナリストなどこれまで人間が強みとしてきた分野まで及ぶ。その一方でChatGPT等の対話型AIを用いた未来の職業が、なくなる職業よりも多く生まれる可能性も指摘されているため、これまで以上に自分自身のスキル向上が求められる
- 企業にとっては開発競争が激しくなる。Microsoftだけでなく、オンライン学習のカーン・アカデミー、モルガン・スタンレー、アイスランド政府などがChatGPTのエンジンであるGPT-4を活用したアプリケーションを利用している。これまで以上に変革のスピードが求められている