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VTuberが日本企業の海外進出を後押しする可能性

最近、巷でも目にするようになった「VTuber」を皆さんはご存知でしょうか。VTuberとはVirtual(バーチャル)とYouTuberを合わせた造語です。2Dや3Dのアバターを通して活動しているYouTuberのことを指します。

VTuberの先駆けとなったのは日本発の「キズナアイ」です。YouTubeでは300万人のフォロワーを抱え、さらには、大人気で一時品切れとなった日清食品カップヌードル味噌のCMにも出演していたキャラクターです。

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広告塔としても需要が高まるVTuber

VTuberの外見は美少女キャラが多く、一般ウケしないのでは?と考えがちですが、日本国内では2021年にプロ野球パ・リーグと「ホロライブ」が、2022年にはJリーグと「にじさんじ」がコラボしており、ニッチなファン層向けコンテンツ以外にも活動範囲を広げているようです。

J1リーグとにじさんじのコラボ / Photo Credit: Jリーグ

その背景には、プロモーションを検討する企業側にメリットがあるからではないでしょうか。

スキャンダルリスクが低い

VTuberのアバターを操作している裏側の人間(魂と呼ばれる)は、外部に公開されることがほぼないため、スキャンダルの影響を受けにくいです。

高い生産性でプロモーション準備ができる

芸能人を広告塔とする場合、生身の人間との調整が必要なため、写真撮影ひとつとっても当然調整コストがかかります。しかしVTuberの場合は、先にIPだけをもらうことができれば編集にすぐ取り掛かれるので、効率的にプロモーション準備を進めることが可能です。

グローバルにファンを持つVTuber

そんな日本で人気を拡大させるVTuberですが、2020年頃から日系の大手VTuberタレント事務所は次々に海外展開を始めています。ホロライブは2020年9月、英語圏向けに5人組ガールズグループ「Hololive English Myth」をデビューさせ、その内の1メンバーはYouTubeフォロワー約400万人を誇っています。さらには今年3月、アメリカ発のVTuberタレント事務所「Vshojo」が$11M(約14億円)を資金調達したことでも注目を集めました

英語圏向けをターゲットしたガールズグループ「Hololive English Myth」/ Photo Credit: Hololive

着実に海外でもVTuberの存在は大きくなっており、YouTubeの投げ銭機能「Super Chat」の今年4月のグローバルランキングでは、TOP10の内、なんと8人がVTuberで埋め尽くされています。

2022/5/26付けのランキング / photo credit: Playboard

海外ファンの反応

日本発と言われるVTuberは海外ファンにとって何が魅力なのでしょうか。大手掲示板サイトRedditを覗いてみたところ、「知性」と「インタラクティブ性」が鍵のようです。

知性

誰でも可愛いやかっこいいをアバターで再現できてしまうVTuberにとって、「外見=差別化要因」とはなり得ないでしょう。そこでトークレベル、つまり知性が重要な差別化要因となっています。実際に、VTuberの多くはゲーム実況やファンとのトーク動画をYouTubeにアップロードしており、トークレベルが高くないと人気は獲得できません。

インタラクティブ性

VTuberはファンからのチャットを交えながらライブ配信を実施しています。好きなVTuberが自分のチャットに反応してくれたり、とファンとしては嬉しい限りでしょう。

以下、EISの考察です

  • すでに企業の活用事例、そして海外での人気を考慮すると、K-POPスターBTSがサムスンやヒュンダイといった韓国企業のグローバル進出を後押ししたように、日本発VTuberが日本企業の海外進出を後押しする存在となりえる
  • 海外では未だVTuberはニッチな市場であること、過激な外見をしているVTuberもいること、など懸念もあるが、直近の企業活用事例を考慮すると、懸念よりも可能性の方が大きいのではないか

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