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小売革命の中で進む「ネイティヴ・リテール」とは?

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過去10年間に、小売のあり方は大きく変わってきました。Amazonを始めとする巨大なEコマース・プラットフォームが勢力を伸ばし、ネット上で購入ボタンを押すと翌日どころか当日中に商品が届くようになりました。本の販売から始まったEコマースは、電化製品から衣服、大物家電や自動車、さらには生鮮品を含む生鮮品まで、買えないものはないぐらいに進化しました。

そうした購買行動のオンライン化とともに、デジタル広告が進化しました。ご存知のとおり、GoogleやFacebookはデジタル広告の媒体として巨大化しました。各ブランドやメーカーたちは、デジタル広告に湯水のように巨額を投入をして、自社製品のブランディングやマーケティングを競うようになりました。最近話題のメタバースでも、VR技術を駆使して立体的・直感的に商品やサービスを消費者に訴求する広告ツールとしても注目を浴びています。

そうした中、デジタル化と一見逆行するように見える「ネイティヴ・リテール」が注目を浴びつつあります。デジタル技術を駆使してスクリーン上での商品のプロモーションに四苦八苦するよりも、自然な形で消費者に実際に商品を触ってもらい使ってもらうことで、消費者の購買意欲や行動に直感的に働きかけようという考え方です。

Minoan Experienceは、ニューヨーク・ブルックリンの高級ホテルThe William ValeAirbnbに展開する80の施設パートナーと1,800のスペースで、備品として置かれている電化製品、装飾品・調度品、食器、家具などを購入できる仕組みを提供しています。

photo credit: Minoan Experience

その部屋に実際に宿泊して、当該商品に触れたり使ったりしてみて、気に入ったものがあればQRコードでネット上で買えるものなのかを確認し、それが見つかったらポチっと購入ボタンを押すだけで自宅に同じ商品が送られるという仕組みです。

QRを読み込むと、宿泊先のインテリアに使われているアイテムが購入可能かどうか確認できる / photo credit: Minoan Experience

Minoan Experienceの共同創始者であるMarc Hostovsky氏はインタビューの中で下記のように語っています。

‍世に溢れるデジタル広告の中で一秒以上消費者の目に留まるものは、たった9%しかない。多くのブランドは自社商品に消費者の目を向けるためにネット上であの手この手を尽くして四苦八苦している。しかし、百聞は一見に如かず、いや、百見も一触に如かずではないか。

TechCrunch

凄まじい勢いで進化する小売革命の中で、「オンラインとオフライン(リアル)の組合せの最適化」が益々重要になることには疑いはありませんが、リアル店舗に出展しつつ、オンラインショッピングを進めるといったオーソドックスな方法以外にも、まだまだ新手を考案できる余地が大きいということを証明しようとしているのです。

長引くコロナ渦が終焉しつつある中で、旅行や外食が一気に回復するなど人々のリアルな体験への欲求は不可避であることが分かりました。ネット上にモノがあふれる中で、リアルな体験をプロモーションに活用する「ネイティヴ・リテール」の考え方は、様々なブランドや企業のマーケティングのあり方に色々な示唆を与えてくれているように感じられます。

目次

以下、EISの考察です。

  • デジタル社会の中で差別化を図っていくためには、リアルな場の活用方法こそが鍵となる
  • 旅行や外食のみならず、シェアオフィスなどの職場や、飛行機や鉄道、タクシーなどの移動手段も含めて、人々がリアルな体験を行ったり、時間を共有・共感する領域には、新しい「ネイティヴ・リテール」の仕掛けを作っていく多種多様なチャンスがある
  • 日本の商品には、デザインなどの外見や数値で分かる性能だけでなく、実際の使い易さ・絶妙な使い心地など細かい部分で優れていたり、伝統工芸品のように繊細な感性に価値があるものが多いため、「ネイティヴ・リテール」は有効な販促手段となり得る

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