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古着のアンチエイジング:PatagoniaやLevi’sが取り組む新たなサステイナビリティ

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ZARAなどファストファッションブランドでも古着回収ボックスをよく見かけるようになりましたが、その行く先をご存知でしょうか。実はすべての古着をリサイクルしようとしても、これらの繊維の約60%はそもそもリサイクルできないため、埋め立て地に捨てられてしまいます。名だたるアパレルブランドが立ち上がり、中古品の再販という形でこの問題を解決しようとしています。

アメリカで人気のスニーカーブランド、Allbirdsは中古スニーカーを再販するプラットフォーム「Rerun」を立ち上げました。同様に、Patagonia、Lululemon、Levi’sも自社の中古アイテムを再販プラットフォームに売り出しています。

目次

Allbirdsの再販プラットフォーム「ReRun」

そもそも再販プラットフォームとはどういうことでしょうか。Allbirdsでは、要らなくなったAllbirdsのスニーカーをロサンゼルス、シカゴ、ニューヨークの3つの店舗に持ち込めば、Allbirdsで使用できる20ドル分のギフトカードに交換することができます。中古のスニーカーは修繕され、綺麗な状態で再販プラットフォーム「ReRun」に売り出され、新品の3分の2ほどの価格で販売されています。

Allbirdsの再販プラットフォームReRun:中古品販売とは思えない洗練されたウェブサイト

再販プラットフォームの立役者「Trove」

Allbirds、Patagonia、Lululemon、Levi’s、これらのブランドはなんと全て同じ会社のプラットフォームを利用しています。それが「Trove」です。Patagoniaが2014年に出資しているスタートアップで、再販向けのウェブサイト構築のみならず、中古品の修繕、写真撮影、価格決定、梱包・配送まで再販における全てのプロセスを引き受けています。

Troveの強みは、新品同様の購買体験を消費者に与えることができる点です。例えば、商品の写真一つをとっても、従来の古着屋とは違ってプロが撮影していることが一目でわかる写真は中古品とは判断できません。

Levi’sの再販プラットフォームLevi’s SECONDHAND:
商品の撮影の仕方が統一されており、新品を取り扱ってるのかと錯覚する

中古アパレル業界の変遷

中古アパレル業界は、店舗買取・販売型、オンラインでの売買、そして今後は自社ブランドによる再販が普及していくと考えられています。自社ブランドで中古品を再販するに至った背景として、サステイナビリティ以外にも以下のメリットが考えられます。

  • 収益の拡大
    これまで古着屋や中古品販売プラットフォームに入っていた分の収益を取り込むことができます。例えば、Levi’sのジーンズは古着屋でも人気商品ですが、消費者は古着屋に支払うのであってLevi’sには収益が入ってきません。
  • Z世代顧客の獲得
    元々古着が大好きなZ世代にとって、安価かつ本物が保証された商品を買うことができるこの仕組みは刺さることでしょう。
  • ロイヤリティの向上
    古着をギフトカードに変えるためには店舗に足を運ばなければならず、自ずと店舗への導線を作り出しています。

しかし一方で、中古品を売る側にメリットがあるかは気になるところです。実際に、メルカリなど個人取引プラットフォームを利用した方が金銭的なリターンは大きいですが、写真撮影や梱包などの手間が省ける上に、安価だとしても確実にリターンがあると考えればメリットと言えるでしょう。

過去20年間における再販市場の台頭とTroveといったブランド独立系中古品マーケットプレイスの成長予測

以下、EISの考察です

  • 商品状態の大幅な改善、新品同様の商品写真や梱包によって、これまで中古品に抱いていた他人の使用感が薄れ、中古品に抵抗があった人も手に取りやすくなる
  • Troveのような中古品の再販を取り扱うプラットフォーマーが今後も台頭し、中古アパレル市場全体の競争が見られる
  • サステイナビリティと購買欲の狭間にいる消費者にとっては効果的な販売戦略である。例えば「新しいPatagoniaのダウンが欲しいけど、今持っている物を捨てるのはもったいないから買うのはやめよう」と考えていた消費者が「捨てるのではなく信頼できるブランドに着なくなった物を託す」という考え方の転換ができ、結果として循環型の消費者購買に繋がる

参考文献

  1. Medium
  2. Vogue Business
  3. Allbirds Rerun
  4. Levi’s Secondhand
  5. Bloomberg
  6. Statista
  7. California Public Interest Research Group

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