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現代社会の謎~なぜレジャー時間が減り続けているのか?

現代社会において、多くの人が時間が足りないと感じています。スタッフの労働環境への意識の高まり等で労働状況は大きく改善されつつありますし、何よりもインターネットやスマホの普及により、様々な作業が効率化されたはずです。それにもかかわらずOECDの調査によると、多くのOECD加盟国(=世界の先進国)の間では、1980年代より労働者がレジャー(余暇)に費やす時間が減り続けているというのです。何が起きているのでしょうか?

こちらのFTの記事によると、イギリスのシンクタンクが1970年代と2010年代の人々が何に時間を使っているのか詳細を調査したところ、一番大きな要因は育児にかける時間が増えていることだそうです。その背景としてまず挙げられるのは、安全性に対する意識の高まりです。都市化が進行するに連れて都市型犯罪が増加し、多くの親が児童の通学や習い事の送迎に付き添うようになりました。

次に、以前は育児は他の家事と合わせて「ながら」で行っていたところを、育児そのものを独立した活動として捉えられるようになったと指摘しています。共働きが増えて多くの母親がワーキング・マザーとなる中で、子育ての時間そのものが相対的に親にとって貴重な時間になっているのです。さらに、多くの先進国では少子化が進んでいます。そのため、子供一人ひとりとの時間がより大切なものとなっているのです。

最後に、ワーク・ライフのあり方の変化が挙げられます。情報通信技術の発展により、多くの人々が常に複数の作業をするというマルチタスク化が進み、仕事が自由時間や自宅にも持ち込まれるようになりました。新型コロナによる在宅勤務の普及により仕事と余暇の区切りはより一層、曖昧になっています。

こうした傾向は、どのような示唆があるのでしょうか?

EISの示唆は以下の通りです

  1. 子供と大人が一緒に楽しめるプロダクトの重要性ニンテンドーの家族向けコンテンツの大ヒット、キャンプその他家族で楽しめるアウトドアスポーツの普及拡大は、子供との時間をレジャーとしても豊かなものにするという発展的な解決策です。
  2. 子供の面倒を充実させることで、大人が余暇を楽む時間を創るサービス
    欧米では、ClubMedなど子供対応プログラムが充実したヴァカンス・リゾートが発展してきました。また、常時から子供たちの面倒を見てくれるクラブが増加しています。・C.R.E.A.T.E Child
    Kids’ Club after school
    NY Kids Club
  3. 祖父母と子供との繋がりを強化することで、親の負担を軽減するプラットフォーム
    親が初めに子供の面倒を頼めるのは、自身の親、すなわち子供にとっての祖父母です。情報通信技術を活用したサービスが見られるようになっています。・Oscar Senior – Family
    Together
  4. 子供のイベント(特にスポーツ)を遠隔から観戦できるプラットフォーム・GameChanger
    Sportlyzer
  5. 家族の予定を管理し、最適化するアプリ・Cozi Family Organizer
  6. 子供が自主的に勉強したり、家事をすることを促すサービス・Nanaba
    OurHome
    ・Kinspire

こうした新しいプロダクトの類型には枚挙にいとまがありませんが、これからのライフ系サービスを設計する際、子育ての効率化・代行を通じた親のレジャータイム創出という観点は、より重要なアングルになっていくものと思われます。

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