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adidas Runnersに学ぶインタラクティブなブランドコミュニティの作り方

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9月も終わり、EISアメリカチームが拠点を置くカリフォルニアでも涼しい日が増えてきて、運動をしやすい季節になってきました。そこで今回は世界的なスポーツブランド、adidasのランナーズコミュニティ「adidas  Runners」をテーマに、ブランドとユーザー、またユーザー同士がインタラクティブに交流するブランドコミュニティの作り方について考えてみたいと思います。

adidas Runnersはadidasが2017年から本格的に世界展開を始め、現在は世界65都市に50万人ものメンバーを抱えるグローバルランナーズコミュニティです。2016年にはわずか15都市でしか展開されていなかったadidas Runnersは、どのようにして短期間の間にここまでの成長を遂げたのでしょうか?主な理由は以下の3つと考えます。

  1. 「だれでも」ではなく「あなたのため」を明確化
  2. ローカルコミュニティへの帰属意識をくすぐる仕掛け
  3. オンラインとリアルの融合
目次

1. 「だれでも」ではなく「あなた」を明確化

ランニングは幅広い年代、レベルの人々が楽しむことができるスポーツです。大きな売上高を誇るadidasであれば、当然たくさんのランナーを惹きつけるために「だれでも」参加することのできるランナーズコミュニティを目指しても不思議はありませんでした。しかしadidasは明確にターゲットを絞り込み、サービスもターゲット層に刺さる物を用意することで、「あなたのため」のコミュニティであると強調したのです。

具体的にはマラソン大会への出場を目指すような「自分をより高めたい」と考えるランナーをターゲットとし、彼らが目標を達成するための質の高いプログラムの提供や、食事に関するアドバイス、フィットネスプログラムを加えるなど、ランニングのみに留まらない本格的なコンテンツを揃えたのです。結果として、自分のためのコミュニティだと強く感じた本格ランナーが参加するだけでなく、自分もレベルアップして本格ランナーになりたいという層にもリーチすることに成功したのです。

adidas Runnersの掲げる5つの柱。栄養学や心理学など、記録を高め、自己を高めるための本格的なプログラムを用意

2. ローカルコミュニティへの帰属意識をくすぐる仕掛け

続いてadidasが目をつけたのは「ローカル」でした。サッカーや野球など、ローカル色が強く地元愛を意識させられるスポーツは数多くありますが、ランニングは個人の戦いであり、地元愛を感じる事は少ないスポーツです。しかしadidasはランニングの世界にローカルの概念を持ち込むことでコミュニティを形成しやすくしたのです。

まずは世界の50以上の都市でほぼ毎日何らかのローカルイベントを開催し、同じ街に住むランナーの仲間づくりを支援しました。そして、各都市が距離や速さで競い合う都市対抗のイベントをオンライン及びオフラインで開催することで、ローカルコミュニティの仲間同士で協力する環境を作っていきました。

また、一つの都市の中でもさらに細かいローカルグループを作ることで、コミュニティ全体の活性化につなげた例もあります。adidas Runners Parisではパリ市内を10のグループに分け、グループごとにチームのエンブレムを作り、ランニング以外にもグループの結束を高める交流を行うことで、ローカルサッカーチームのような熱気をコミュニティにもたらしたのです。

adidas Runners Parisでは山手線の内側とほぼ同じ面積のパリ市内に10のローカルコミュニティを形成

バスティーユ地区コミュニティのオリジナル・エンブレムとオリジナル・ローカルビール

リパブリック地区のコミュニティのオリジナル・エンブレムとオリジナルTシャツでの集合写真

3. オンラインとリアルの融合

最後のキーワードはオンラインとリアルの融合です。パリの例でもご紹介したとおり、リアルな場で集い、共に走ったりイベントを通じてコミュニティの結束を深めていくのはもちろん、2015年に買収したRuntasticアプリのバーチャルレースを通じて世界中のランナーと競い合ったり、都市ごとに用意されたFacebookグループ上で同じ地域のランナーたちが励ましあったりアドバイスしあったりと交流を深めています。結果、Runtasticアプリ利用者は累計1.7億人を超え、各都市のFacebookグループはメキシコシティの3.9万人やバンコクの3万人を筆頭に、多くのランナーが参加し見事にリアルとオンラインの融合を果たしました。

Runtasticのアプリ上でメンバー同士が走破距離を競い合う

都市ごとのFacebookグループでメンバー同士が交流

コロナ以降、消費者はコミュニティを介して情報収集、消費を行う傾向が強まっており、特にローカルコミュニティへの回帰は加速しています。いかに自分のビジネスにコミュニティを取り入れることができるか、adidasの例を参考に考えてみると面白い発見があるかもしれません。

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