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GenZに学ぶ、これからのコミュニティ戦略のあり方

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このインサイトについて、さらに詳しく動画で解説しています(13:40)

近年、企業の戦い方として、マーケティングはもちろんですが、ブランディングから組織文化、 オペレーションに至る経営全般において、「コミュニティ戦略」の重要性が高まっています。コミュニティの語源である、Common-Unity(共通の同一性)を持った消費者や従業員グループを見定め、彼らの満足度を最大化する形での価値提供を行うものです。「経済成長」という無味乾燥の指標が人々の目的だった時代には、コミュニティの概念は極めて単純かつ稚拙でした。しかし、ほとんどの先進国において「経済成長」ではない価値が求められるようになった今日、人々の価値観は多様化し、それに伴い、コミュニティのあり方や捉え方も複雑化しています。

とりわけ、IT・デジタル技術及びプラットフォームの進展が急激に進んだことで、コミュニティのあり方は、世代によって大きく異なるため、注意が必要です。多くの企業において、中堅~経営陣の主体となる40~60代にとってのコミュニティと、20~30代にとってのコミュニティは全く違ったものになっているのです。今回は、これからのコミュニティ戦略のあり方を問うべく、GenZのコミュニティ形成について、私たちの見方を簡単にご紹介します。

GenZ(ジェンズィー)とは:1990~2000年代に生まれた、幼児期よりデジタルに慣れ親しむデジタル・ネイティブ世代のこと。Generation Zの略で、日本語ではZ世代と呼ばれています。

本年(2021)6月初旬に、New York発祥でクリエーターが集まるマーケットプレイス型eCommerceのEtsyが、ロンドン生まれでGenZの若者の人気を集めるソーシャルeCommerceのDepopを、なんと1.625 Billion USD(約1,800億円)で買収するというニュースが世間を驚かせました。ちなみに、同社の2020年の収入は、70 Million USD(約78億円)ほどです。

photo credit: DePop

なぜ、Etsyは、これほどのプレミアムを付けて、Depopを買収したのでしょうか?ここに、コミュニティ戦略の重要性の高まりとともに、GenZ世代のコミュニティの掌握の難しさが読み取れます。私たちは、Z世代のコミュニティには、少なくとも以下の要素があると考えています。

  1. 地域や言語といった伝統的なコミュニティに関係なく組成・発展する
  2. 集権的でなく分権的な価値形成やコミュニケーションが自然に図れる
  3. モノ・コトよりスタイル、機能性より感性の共有・共感が軸となる
  4. それ以外の同一性(国籍、宗教、文化、性別など)は重要ではない
  5. 旧来型のコミュニティと比べて、参加に要するコミットメントが低い(出入り自由)

マーケットには、こうしたZ世代のコミュニティ形成に成功しつつあるプレイヤーが出現しており、私たちEISではその動きを注視しています。以下、Depop以外にも面白そうな例を挙げます。

Quilt

メンバー相互のコミュニケーションに特化したオーディオ・ソーシャル・ネットワーク。ユーザーの50%以上が任意の会話に参加して発言しているという。

StockX

GOAT

StockXとGOATは共にミレニアル世代、GenZ世代に人気を集める、オンライン・リセール・マーケット。世代で特有の「ビンテージ」価値を発展・共有している動きと考えられる。

STARFACE

過度に着飾らず、ありのままを受け入れる「ボディ・ポジティブ」の流れの中で、「ニキビ・ポジティブ」を確立。多くのZ世代が同社のニキビパッチを張った自撮り写真をSNSにアップし、コミュニティ化。

こうした新しい動きは、これからの社会のあり方、企業の戦い方にどのような影響を与えるのでしょうか?

以下、EISの考察です

  • リーディンググローバル企業(GAFAM、コカ・コーラ、テスラ、ナイキ等々)のブランド訴求力(スタイルや感性を訴求する力)は減退していく
  • さらには、今後、世界の大衆万人から幅広く指示される、従前タイプのグローバル・ブランドは生まれなくなる
  • 今後のグローバル戦略は、世界に散在する特定ターゲット層に訴求できるサブスケールのコミュニティを多数抱えるマルチ・コミュニティ戦略に移行する(EISでは、企業のターゲットとなるコミュニティが銀河のように構成されることから「ギャラクシー・モデル」と呼んでいます)
  • その際、企業側からブランド価値を一方通行で提供するのでなく、消費者側とのやり取りを通じて、自律的かつ柔軟に発展できるよう準備する必要がある
  • そのためには、既存顧客・潜在顧客のみならず様々な消費者層の、心の声、トレンドを敏感に察知できるケイパビリティと仕組みが不可欠となる

参考文献

  1. TechCrunch
  2. Cover Photo Credit : Depop

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