「シェアリング・エコノミー」という言葉を色々なところで聞くようになりました。ただ、その定義はあいまいです。
Uberは「シェアリング・エコノミー」なのか?
シェアリング・エコノミーの代表例とされるAirBnBは、本当にSharingでしょうか?確かに、予約する際には「個人宅や部屋を他人に貸す」ような体になっていますが、実際には、個人又は企業がビジネスとして専門的に提供しているケースが多いです。
Uberはどうでしょう?アメリカでは本当に素人のドライバーが出てきたりしますが、プロでない個人タクシーというだけで、Sharingしている訳ではない気がします。
WeWorkは?オフィスをシェアしているということですが、オフィス用の機能やサービスを備えた喫茶店や図書館というぐらいでしょう。
TimesシェアリングなどのCar Sharingは?要は、会員制のレンタカーというだけで、ビジネスモデルが会員費(サブスクリプション)になっただけのような気もします。
フランス発、新のシェアリング・エコノミー「BlaBlaCar」
そんな中で、2006年にフランスで設立されて以来、ヨーロッパを中心に20か国以上に展開しているBlaBlaCarは、真のシェアリング・エコノミーと言えるでしょう。
中遠距離をクルマで旅行しようという人が、高速代・ガソリン代の負担を軽減するために、同乗者を募る仕組みです。例えば、パリを明日の晩(9月27日19時頃)に出発して、約400km離れたリヨンに行く人を探すと、このような感じで候補者がズラーッと出てきます。原則として、運転手が儲けるためではなく、移動コストを軽減するためのサービスなので、搭乗人数とクルマの燃費等によって自動的に値段が計算されます。人によって値段が違うのは、既に同乗者が何人いるのかとクルマの燃費によるものです。
BlaBlaというのは、おしゃべりのことですが、乗り合わせたユーザーたちは、お互いのおしゃべりの良さで相手を評価する!というお茶目な設定になっているのです。ユーザーのほとんどは、20代の学生や30代の若者たち。恋が生まれることもあるとか?!
これぞ、真のシェアリング・エコノミーだと思いますが、4~5年ほど前に、BlaBlaCarの経営チームと日本展開の可能性を検討したことがあります。色々な可能性を検討したのですが、結果はNo go。その理由は、「日本社会はシェアリング・エコノミーにはまだ早い。」日本人は遅れているねと言われた気がして、とても残念でしたが、その後の日本社会のAirBnBやUberへの過剰反応を見るにつけ、彼らの判断は間違っていなかったのかなと思います。…もう5年近く経ちましたが、今でもまだ早いですかね?