ここ最近、米国ではNFT(Non-Fungible Token)(主にイーサリアム(ETH)のブロックチェーン上で構築できる代替不可能なトークン)が異常な盛り上げりを示しています。3月11日にはCryptoPunksという名の宇宙人の画像が8億円以上(US$7.6M)で価格で落札され、世界で最も長い歴史を誇る美術品オークションハウスであるクリスティーズが同月に実施したオークションではBeepleのNFT作品が約75億円(US$69.3M)で落札されました。
そんな中、「代替不可能」というNFTの仕組みを巧みに活用して、仮想空間での不動産ビジネス革命に取り組むスタートアップSuperWorldが登場しました。
SuperWorldの概要
- 現在の地球上の土地や代表的建造物をそのまま仮想空間上で再現し、仮想空間上の地球を1辺が100mの正方形(1ヘクタールの面積)の正方形で区切り、ブロックチェーン技術により全体の土地を640億の区画に分けたグリッド作成
- SuperWorld上では、その一画を土地の取引単位として制定して各区画を毎にNFTを定め、最初(未購入の土地)は0.1 ETHで販売され、その後は需要に応じてNFTの取引価格が変動
- 土地の所有者は、自分が所有する場所を好きにパーソナライズ(AR技術でペットを飼ったり、3Dアートでデコレーションする等)して、他人を招待して情報交換することができる
- その結果、仮想空間での不動産取引や建物の建設、イベントの実施、AR商品の売買などが可能となり、新たな市場が誕生した
以下、EISの考察です。
- ポケモンGoがその可能性を示したように、リアルとバーチャルの世界の融合は今後も進んでいく
- そこにNFTなどの新たな取引通貨が普及することによってリアルとバーチャルを行き来する財やサービスが広まり、新たな資産の取引が生まれる
- それに加え、近い将来、人々の実生活にバーチャルの体験を取り入れた”Augment Reality Lifestyle”が一般化するということを提唱するソートリーダーが増えてきた
- 実際にSuperWorldの創業者であるHrish Lotlikar 氏など、その可能性を確信する次世代イノベーターが投資家からの資金調達に成功して、新たな事業領域と市場を切り拓いている
- 仮想通貨や無形資産の実態価値の評価はまだ不明な点があることは否めないが、今後の事業機会のタイミング逸しないためにも、今から注意深くモニターしていく必要がある