みなさん、E-Bikeって聞いたことありますか? 日本語では、電チャリとか電動アシスト自転車と訳されますが、電動アシスト自転車と聞くと、日本ではよくスーパーに行くのに使われていたりと、子育て世代にとくに受け入れられているイメージだと思います。
私は、ロサンゼルスのEISオフィスまでビーチ沿いを自転車通勤しているのですが、すれ違う自転車はE-Bikeばかり。
学校に通学している若者から、通勤している大人、さらには日向ぼっこをしているお年寄りまで、カリフォルニアでは幅広い層がE-Bikeに乗っています。日本とは大きく異なる米国の自転車事情を今回は調査してみました。
お気に入りのお飲み物とお菓子を片手に、楽しんで頂けたら幸いです。
米国E-Bike市場規模は、13億ドル超え
E-Bikeは米国でどれくらい売れているのでしょうか。全米自転車販売店協会の報告によると、2022年の米国におけるE-Bikeの売上高は13億ドル(約1,900億円)を超え、前年比で33%増。売上高の規模感を見ても、E-Bikeの人気がかなり高いことが分かります。
さらに、私が住むカリフォルニア州では、今年から1,000万ドル(14億円)以上の購入支援金が用意されていたり、政府からの購入支援も手厚いので、今後更なる販売台数の増加が予想されます。
では、なぜここまでE-Bikeが人気になったのでしょうか。
ハーバード大学ケネディ行政大学院の客員研究員で、モビリティ・テクノロジーの専門家であるデビッド・ジッパーは、E-Bikeの人気は3つのトレンドの産物だと発言しています。
- リチウムイオン電池の発展
電気自動車の動力源として使用されてきたこれらのバッテリーは、小型化、高効率化、低価格化が進み、自転車のような小型の用途にも使用できるようになりました。今では10万円ほどで、時速30km以上のスピードで60km以上走れるE-Bikeも購入できます。(Soltera Ebike)
- 世界的都市部でのサイクリングに集まる関心
米国だけではなく、環境や健康への意識から世界的都市部でサイクリングが人気になっています。オランダでは自転車の数が人の数を上回り、アムステルダム市内では、半分以上の人が通勤に自転車を利用しています。
- E-Bikeシェアリングサービス
あまり簡単に試すことができなかったE-Bikeですが、シェアリングサービスが発達したおかけで、最近ではお手頃な価格で簡単にE-Bikeを使って移動できるようになりました。
E-Bikeがもたらすフリーダムとコミュニティ
ここカリフォルニア(ロサンゼルス)で、E-Bikeが流行っている理由には、E-Bikeがもたらすフリーダムとそれによってつくられるコミュニティが挙げられます。
ロサンゼルスを拠点に3000万ドル(44億円)を資金調達しているE-Bikeスタートアップ”Super 73”のファウンダーCannavoは、「E-Bikeに乗ることで得られる開放感や車では決して行くことができない道を通れることなどのフリーダムに、コロナ禍で1人で移動する必要ができたことや近所で過ごす時間が増えたことで人々は気づき始めた」と言葉を残します。
E-Bikeがもたらすフリーダムに人々は魅了され、定期的に行われるミートアップでは、常に90人ほどのメンバーが集まるそうです。普段の移動や週末にE-Bikeで何か楽しいことをしたい人たちが集まり、カスタマイズされた自分たちのE-Bikeを見せあったり、グループライドを楽しんだりしています。
最高速度は120km!? 最新鋭E-Bikeのスペックとは
ちなみに、最新鋭E-Bikeのスペックはとんでもないことになっています。
Revolution X
カリフォルニアの自転車ブランドで世界最速のE-Bikeを生産しているHi Power CyclesのRevolution Xは、約120kmの最高到達速度を誇ります。
SUPER73-S2
日本にも店舗を持ち若者を中心に大人気な米国E-Bike ブランドSuper 73は、ぱっと見自転車には見えないかっこいい見た目を持ち、一度の充電で120km以上走ることができます。
米国や世界で大流行中のE-Bikeですが、日本人の2人に1人が自転車を保有しており、自転車大国の日本でも、世界で乗られている最新鋭E-Bikeが当たり前の交通手段になる日も近いかもしれません。