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Natural Products Expo West 2023で見つけた、最先端の食品トレンド

3月7日から11日まで、カリフォルニア州のアナハイムコンベンションセンターで開催されたNatural Products Expo West 2023では、自然食品、飲料、サプリメント、パーソナルケア製品の新しいトレンドが今年も数多く紹介されました。3,000社以上の出展企業と67,000人以上の来場者が集まり、我々EISメンバーも年に2回の食の祭典に足を運んできました。ナチュラル製品業界の未来を垣間見ることができたトレードショーの中でも、特に我々が注目する食の最新トレンドをご紹介します。

image credit: Event Always
目次

きのこを使った製品・サプリメント

キノコを使った製品やサプリメントは、エキスポで見られた人気の素材です。免疫力を高め、抗炎症作用があることで知られるキノコは、自然食品業界で今、最も注目されている素材です。以前、Insightでもご紹介したキノコを使って革新的な植物性タンパク質ソリューションを開発するMycoTechnologyなど、多くの企業がキノコを使った製品を展示していました。

  • Four Sigmatic: キノココーヒー、エリクサー、ホットカカオなど、キノコを使った様々な製品を製造している会社。今回の展示会では、霊芝とアシュワガンダをブレンドした、ストレス緩和やリラックスに役立つ新しい「アダプトゲンブレンド」を紹介
  • Om Mushrooms: パウダー、カプセル、チンキなど、さまざまなキノコのサプリメントを提供する会社。また、様々なキノコとアサイーやマカなどのスーパーフードを組み合わせた「キノコ・スーパーフード」製品ラインも人気
  • Rritual:ストレス緩和、集中力、免疫力をサポートする植物由来のアダプトジェニックエリクサーを提供する会社。アシュワガンダ、山伏茸、霊芝などの成分が含まれています。今回の展示会では、新しい「Elevate」と「Zen」のブレンドが紹介
(左)Omからは7月に新商品のマッシュルームグミが発売予定 (右)人気番組Shark Tankにも登場した、椎茸ジャーキーブランドのPan’s (EIS撮影)

代替タンパク源フード

展示会では、もうひとつ、従来の肉といった動物性のタンパク質に変わる食材が注目されました。植物性食生活やサステイナブルな食料源への需要が高まる中、多くの企業が代替タンパク質を作る新しい方法を模索しています。

  • Aketta:持続可能な方法で飼育されたコオロギを原料とするコオロギプロテインパウダーを展示。同社のコオロギプロテインパウダーは、焼き菓子、プロテインバー、スムージーなど、さまざまな製品に使用することができる
  • Triton Algae Innovations:藻類を利用したタンパク質とサプリメント製品を展示。藻類は、従来のタンパク質源に比べ、生産に必要な水や土地が少なくて済む、有望な代替タンパク質源と言われている。同社は、プロテインパウダーの他、オメガ3やアスタキサンチンなどのサプリメントの製造に使用できる独自の藻類を開発
  • Meati:Meatiはキノコの根系である菌糸体から作られる、植物ベースの代替肉を製造販売。同社の商品は、サステイナブルで環境に優しいだけでなく、高タンパクで栄養価も高い上に肉のような食感とうま味があると注目を集めている
Meatiのブースは、試食と共に商談用のソファースペースも完備 (EIS撮影)
(左) 植物由来のハンバーガーパテといった肉だけでなく魚肉加工食品などバラエティ豊かなプラントベースプロダクトを販売するPLNT (右)くるみでできたそぼろを販売するGlenda’s (EIS撮影)

アダプトジェニックハーブと植物

また、アダプトジェニック・ハーブや植物は、展示会であらゆる企業が様々なプロダクトに使用していた注目の機能性成分です。これらのハーブや植物は、体がストレスに適応するのを助け、全体的な健康状態を改善する効果があることで知られています。

  • Wylde One:ニューヨークを拠点に、アダプトゲンやスーパーフードなど、植物由来のさまざまなパウダーを製造。今回の展示会では、免疫力向上や認知機能向上で知られる様々な機能性キノコを使用した、キノコに特化した新しいラインを紹介。
  • Peak and Valley:シアトルに拠点を置くウェルネス企業で、アダプトジェニックブレンドや機能性キノコを提供。新しい機能性マッシュルームブレンドを展示し、チャーガ、霊芝、冬虫夏草など、アダプトゲン作用や免疫力向上作用で知られるさまざまなキノコが含まれています。
  • MoonJuice:ロサンゼルスでジュースバーも展開し、アダプトジェニックサプリメントをはじめ、スキンケアや食品など、さまざまな製品を展開するウェルネスブランド。アシュワガンダ、シャタバリ、マカなどの成分を配合したアダプトジェニックブレンドを販売。今回の展示会では、4種類のアダプトゲンを配合したストレスケア用のサプリメント「SuperYou」を紹介。
女性の更年期障害をサポートするために、アダプトゲンであるマカを配合したエナジーバーを販売するmenoWell(EIS撮影)

腸内環境を整える製品

プロバイオティクスやプレバイオティクス製品を展示する企業も多く、腸内環境を整える製品も多く見受けられました。これらの製品は、健康的な腸内細菌叢をサポートするように設計されており、総合的な健康やウェルビーイングに大いに関連しているのです。

  • GoodBelly:消化器系の健康を促進するためのプロバイオティクスを豊富に含む飲料やサプリメントを販売。同社の製品には、膨満感、ガス、不規則な生活に役立つことが示されているLactobacillus plantarum 299vが含有。乳製品、大豆、グルテンを含まない植物由来のプロバイオティクスショットのラインも提供している
  • Seed:プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせて、消化器系と免疫系の健康をサポートするシンバイオティクスサプリメントを提供。サステイナビリティにも力を入れており、製品にはリサイクルや生分解性のパッケージを使用
  • Bio-K+:消化器と免疫の健康を促進するプロバイオティクスサプリメントとドリンクを提供。同社の製品には、胃酸に耐え、腸管に定着することが臨床的に証明された3つの細菌株が独自にブレンドされている。また、特許取得済みの発酵プロセスを使用し、細菌の生存率と効力を保証
  • Fody Foods:Fodyは、過敏性腸症候群(IBS)などの消化器系に敏感な人に適した低FODMAP食品を提供。グルテンフリーかつナチュラルで高品質な原材料を使用し、消化器系の問題を抱える人々の生活をより快適にすることを使命としている
IBSの人でも安心して食べられる、ジャムやソースなどの試食を提供していたFody(EIS撮影)
(左)脳を活性化するために必要な成分を配合したプレバイオティクスソーダブランドVINA(右)キムチやピクルスを始めとした発酵食品や植物性チーズなどを販売するWildbrine(EIS撮影)

Natural Products Expo Westで紹介された上記の食品トレンドをテーマにした新商品は近年スーパーやドラッグストアに並び始め、より米国消費者の生活に浸透しつつあります。これから日本の食品市場でも、例えば、アダプトジェニック・ハーブや植物を日本茶のブレンドに取り入れたり、豆腐やキノコベースの肉の代用品などの代替タンパク源を使用することで、伝統的な日本料理にユニークで健康的なアレンジを加えることができるかもしれません。さらに、日本の食品会社は、独自のプロバイオティクス製品を開発したり、味噌や発酵食品など腸に優しい食材を製品に取り入れたりすることで、腸の健康に対する需要の高まりに対応することができるでしょう。

ハリウッド化粧品:大豆のプロテインパウダーを展示(EIS撮影)
日本からも甘酒やプラントベース食品の出展が見られた(EIS撮影)

このようなトレンドを把握し製品に取り入れることで、日本の食品会社も革新的でサステイナブルな食品の選択肢を求める世界中の健康志向の消費者に、もっとアピールすることができるのではないでしょうか。

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