みなさん、アメリカにも温泉があることを知っていますか。当メルマガを購読している方々には海外在住の方も多いので、海外暮らしが長くなると温泉に入りたいと感じる方も多いかもしれません。アメリカに長く住む日本の友人と温泉について話していたら、「アメリカでも良い温泉に入れるよ」と教えてくれました。そこで色々アメリカの温泉事情について調べていたら、温泉が文化として根付いていないアメリカでも最近温泉が人気で、多くの温泉施設が誕生していることが分かりました。
今回のEIS Coffee Breakでは、アメリカでなぜ温泉が人気を集めつつあるのか、またどんな最新施設が話題になっているのかまとめてみました。アメリカ在住の方や旅行の予定がある方には、アメリカの温泉を訪れるきっかけになったり、日本在住の方にも日本の温泉との違いや魅力をご紹介できればと思います。
温泉の持つ効果・効能がアメリカで話題
アメリカには、実は多くの鉱泉が存在していて、日本の約26倍の広さを誇るアメリカの広大な土地のほとんどの場所では温泉が湧き出るそうです。特にコロラド州からカリフォルニア州にかけてが最も温泉が多い地域で、実際に数多くの野湯や温泉施設が存在しています。
アメリカの温泉の歴史は意外と長く、温泉の効能に気づいた先住民が”聖なる泉”として古くから湯治目的で利用されてきたと言われています。これまでアメリカの温泉はハイキングなどをして訪れる野湯が多く、日本のように温泉施設は発展していませんでした。
しかし、最近では、温泉がウェルネスの一環として人気となり、古くからの施設をラグジュアリー温泉施設へリノベーションしたり、新たな温泉施設が数多く建設されています。The New York Timesの記事では、アメリカで温泉が人気になっている理由について以下のように書かれています。
- 世界的なウェルネス・ツーリズムへの関心の高まり
- パンデミックによるアウトドア・レクリエーションの人気の高まり
日本の温泉好きにもお勧めしたい温泉施設5選
①Ojo Caliente| ニューメキシコ
米国内最古の温泉施設で、現在では全ての施設をリノベーションし、モダンな温泉施設に生まれ変わりました。ここでは、7種類の天然温泉とサウナが楽しめます。
Information
$45 月–木
$65 金–日・祝日
プライベート温泉(別料金)
②Iron Mountain Hot Springs| コロラド
アメリカ南西部からメキシコ北部まで流れるコロラド川を見渡しながら、19~32種類の温泉を楽しむことができる施設。数多くの温泉の種類があり、天然温泉や世界中の温泉成分を分析し再現したプールが施設内にはあります。
Information
36〜48ドル/3時間(19種類)
46〜58ドル/3時間(32種類)
③Castle Hot Springs| アリゾナ
アリゾナ砂漠の大自然の中で、3種類の源泉かけ流し温泉を楽しむことができるラグジュアリー温泉施設。第二次世界大戦前からリゾート施設として、アメリカの大富豪ロックフェラーやケネディ大統領も滞在、古くからの歴史を2019年にかつての雰囲気を残しつつフルリノベーション。そのヒストリーとストーリーは、エミー賞受賞のドキュメンタリー“Castle Hot Springs: An Oasis of Time”として作品になるほど。
Information
1泊1400ドル〜
④Strawberry Park Hot Springs| コロラド
コロラドの巨大露天石風呂で4種類の天然温泉が楽しめます。近くには、スキー場やハイキングを楽しめる場所もあり、最寄りの街(スティームボート)からシャトルも出ているので、比較的アクセスしやすいかと思います。施設には、テントサイトやロッジがあり、宿泊も可能です。
Information
20ドル/2時間
日-木: 10am-10pm
金-土: 10am-12pm
※11月以降は、4駆車マスト
⑤Dunton Hot Springs| コロラド
1800年代に栄えてゴーストタウンとなっていたコロラド・ロッキー山脈の町を丸ごとリゾートへリノベーションし、13のラグジュアリーキャビンを新たに創出。そのリゾートの中にアメリカの富裕層向け旅行専門誌「AFARマガジン」で、「世界の夢のような温泉11選」として選ばれるほど、ハイクオリティな天然温泉があります。
Information
1泊1500ドル〜
ここに載せられてないものも含めて、アメリカにもたくさんの温泉施設がありました。これまでは野湯が多く、アウトドアアクティビティのひとつとして捉えられることが多かった温泉ですが、今回紹介させてもらった施設のように温泉が中心のウェルネス施設やリトリートが多く誕生しています。世界的なウェルネスへの関心の高まりやアウトドアに楽しみを求める人が多くなっていることが背景にはあります。温泉の持つリラックス効果や治癒力といった効果・効能が今後もさらに認められ、アメリカでも湯船に浸かる習慣や温泉を楽しむといった日本の文化が徐々に根付くかもしれません。