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マルガリータの流行に見る、若い世代のトレンドの生まれ方

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マルガリータは、テキーラ、ライム・ジュース、オレンジ・リキュールからなるシンプルなカクテルで、1930年代〜40年代にかけて誕生しました。起源については様々な説がありますが、一般的にはメキシコ北西部が発祥の地とされています。クラシックなマルガリータはシンプルですが、現在ではユニークな材料を組み合わせたり、様々な種類のテキーラを使うことで、幅広いフレーバーのカクテルがバーやレストランでも見られるようになってきました。マルガリータは誕生当時から人気がありましたが、近年、さまざまな要因で需要が急増しています。

マルガリータは、アメリカではとても身近なカクテルです。スーパーでは缶や箱、袋などに入ったRTDカクテルが売られており、多くのバーやレストランでは塩で縁取られたグラスで提供される定番カクテルになっています。Tasting Tableが行ったある調査では、アメリカ人の55%がマルガリータを一番好きなカクテルだと答えているほど、マルガリータは大人気のドリンクです。

RTDとは?
Ready to Drinkの略称で、コップに注いだり缶を開ければすぐ飲める手間要らずの飲み物のこと

前述の通り、マルガリータは何十年にもわたって愛されてきましたが、最近の人気上昇にはいくつかの理由があリます。

まず、カクテルに対する消費者の関心が以前より高まっていることが理由の一つとして挙げられます。若い世代の中で、お酒=一気飲みをするというよりも上質なクラフトカクテルをゆっくりと嗜むものという認識が強まり、カクテルが再びトレンドになってきています。また、コロナの影響で家に閉じこもりがちになった消費者が、自宅でカクテルを作ってみるようになったことも要因の一つです。中でもマルガリータはとても簡単に作れる上に爽やかな味わいなので、瞬く間にロックダウン中の人気ドリンクになりました。

次に、よりオープンマインドで探究心の強い消費者が、マルガリータの普及に貢献しました。消費者は以前よりはるかに、マルガリータの様な南国風でエキゾチックな味を試したがるようになったのです。以前はウォッカソーダやウイスキーコーラなどが定番とされてきていましたが、今ではそれほど「伝統的」ではないアメリカの飲み物に関心が集まっています。

最後に、マルガリータとテキーラの人気は相乗効果をもたらしています。テキーラは、インフルエンサーやセレブリティ、アスリートに支持されるお酒として新しいアイデンティティを確立し、業界は急速に拡大し、結果としてマルガリータのファンベースも拡大しているのです。

マルガリータはメキシコ料理店以外にも、カリフォルニアでは海沿いのバーやレストランでもよく見かける定番カクテルに(EIS撮影)
目次

芸能人がテキーラーブランドを次々と創設

この数年、セレブリティたちがこぞって蒸留酒をプロデュースしているのが話題になっています。専門家は多くの芸能人がアガベベースのテキーラを選んだのには、いくつかの理由があると推測しています。その理由としては、テキーラがアメリカ製ウイスキーを抜いてアメリカで最も売れている蒸留酒であることと、クールでトレンディなテキーラブランドを立ち上げることで、自分たちが流行に敏感でトレンドセッターであるいう地位を確立できると考えられているからです。そのような背景も相まって南カリフォルニアで盛んに飲まれていることから、最近ではハリウッドを象徴するお酒にもなっているようです。有名なところでは、ケンダル・ジェナー(モデル)の818 Tequila、レブロン・ジェームズ(バスケ選手)のLos Lobos 1707、ザ・ロック(俳優)のTeremanaなどが挙げられます。

HowTo動画が、マルガリータブームの火付け役に

レストランやバーが再開されたとはいえ、自宅でオリジナルのマルガリータを作る消費者は増えています。その人気の背景には、TikTokやYoutubeなどのソーシャルメディアで、マルガリータの作り方を紹介する動画や、マルガリータのフレーバーに関するさまざまなアイデアを見ることができるようになった事が挙げられます。このようなHow To動画には、どんな材料を使えば本格的なマルガリータを自宅で作れるのか、バーテンダーが作り出すような魅惑のレシピや作り方、テキーラとライムジュースの黄金比率などが紹介されています。コメント欄ではレシピに関する感想や議論がされ、フォロワーはレシピを実際に試すことでクリエイターやインフルエンサーに強い親近感を持つようになることがよくあります。アメリカ人が自宅でこのようなカクテルを作ることに興味を持つようになるにつれ、主原料であるテキーラの人気も大きく上昇するのは自然の流れと言えるでしょう。

気軽に試せるRTDがマルガリータ人気をさらに後押し

また、お酒の世界では、RTD飲料が様々な形で登場しているのも興味深いところです。マルガリータへの世界的な関心の高まりを受け、テキーラ生産者は消費者にアピールするため、さまざまな戦術を試みています。缶、箱、ボールなどの斬新なパッケージスタイルや、珍しいフレーバーの組み合わせなど、消費者はRTDカクテルに絶大な関心を示しています。バーやレストラン、家庭で飲むマルガリータが、テキーラに親しむきっかけとして利用されているように、RTDは家庭で手軽に、比較的安価にマルガリータを試すことができる投資対象として注目されています。マルガリータを作るには、ベースのテキーラやライムといったガーニッシュを購入する必要がありますが、RTDであれば必要な材料をフルサイズで購入する前に、誰でも簡単に好きなものを試すことができるようになりました。

世界販売量1位のテキーラブランド、ホセ・クエルボからも4種類のスパークリング・マルガリータRTDが販売されている / Photo credit: Jose Cuervo
ころんとした丸い缶で消費者の心を掴んだBuzzBallzからも、テキーラRTDが登場 / Photo credit: BuzzBallz

以下、EISの考察です

  • マルガリータは、消費者の製品への関心が、原料の一つであるテキーラへの関心につながった好例である。生産者は、製品が自分たちの思い描く理想の方法で消費されることを望んでいるが、時には消費者がいかに商品を消費しているかを理解することが重要だ
  • 情報収集の手段が多様化している現代では、複数のアプローチが絡み合って大きなトレンドにつながるケースも多い。特に若い世代はさまざまな情報源を巧みに使い分けているので、ソーシャルメディアの流行やセレブの動向、パッケージのユニークさなど若い世代の関心事をつぶさに観察し、上手くその波に乗りながらそれに合わせたさまざまな仕掛けを打ち出していく機動力の高さが求められる

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