盆栽は江戸時代に園芸文化として日本で隆盛してから現在まで、長い歴史を持っています。 そんな日本の伝統文化である「盆栽」が、今、世界で話題になっています。
のび太君が盆栽を壊して怒られている神成さんのように、盆栽をやっている人は何となくお年寄りというイメージが強いかもしれませんが、実は世界では若者のあいだでも盆栽が流行しています。
そこで今回のCoffee Breakでは、なぜ世界で盆栽が流行っているのか、調査してみました。
お気に入りのお飲み物とお菓子を片手に、楽しんで頂けたら幸いです。
市場規模は、2兆円!?
Business Research Insightの調査によると、世界における盆栽の市場規模は2022年の約1兆円から2028年までに、約2兆円規模に成長すると予測されています。右肩上りで伸び続けている盆栽市場ですが、何が大きな要因なのでしょうか。
新型コロナウイルスによるおうち時間の増加
家にいる人が増えたことで、盆栽への需要は大幅に増加しました。市場は全地域で予想を上回る成長をみせ、日本の盆栽輸出額も2020年から2022年にかけ、約2倍の成長を見せています。
盆栽の持つアート性にハマるひとが続出
コロナをきっかけに盆栽市場は現在も成長を続けています。その背景にあるのは、盆栽が生きるアートとして、人々を惹きつけているからです。日本の盆栽界で様々なブランドやアーティストと共演し活躍している株式会社 松葉屋創業者の小島氏は、盆栽を「常に生きていて、常に進化していて終わりがない現代アート。一人で育てることもできていないし、過去にこれを育ててきた人たちがいて、それを代々受け継いで、今は僕の手元にあって、またさらに未来に繋がっていくもの。」と説明しています。
世界で大流行中の盆栽
英語でも盆栽は、そのまま「Bonsai」という言葉で浸透しています。アメリカ ニューヨークでは、若者を中心に盆栽のクラスが至る所で開催されており、Instagramでは「#Bonsai」と打ち込むと約380万件のポストがあり、日々多くの方がそれぞれの盆栽をポストしています。(インスタ女子がよくポストしている#韓国料理でも約280万件なので380万件は相当多いです。)さらに著名人のあいだでも盆栽は人気です。全世界総ストリーミング数400億回を超える世界的歌手のJ.バルヴィン氏(J. Balvin)やアリババ創業者のジャック・マー氏も1000万円で盆栽を購入するなど盆栽好きで知られています。
そして盆栽は個人だけでなく、ポルシェやNike、Diorなどのグローバル企業とも関わりがあります。ラグジュアリーブランドやスーパーカーなど、あらゆるジャンルで盆栽が、空間の一部として取り入れられ、空間において独特の価値が出せるものとして受け入れられています。
世界で巻き起こっている盆栽ブームですが、盆栽に求めているものは何なのでしょうか。ひとつあげるとしたらそれは盆栽が届ける、心の落ち着きです。盆栽というアートをつくりあげていくプロセスの中で、人々は自然とマインドフルネスに近づき、盆栽がつくり出すウェルビーイング空間の中で幸せを感じているのです。
日本の伝統文化とウェルビーイング空間
盆栽以外にも、「侘び寂び(Wabisabi)」という日本の美意識も注目されており、世界で最も売れている建築&デザインマガジンとして知られている”Dezeen”で、ウェルビーイング空間の一つのコンセプトとして扱われています。
盆栽や侘び寂びなどの日本の伝統文化が世界のウェルビーイング空間で影響力を持ち始めています。
このように日本の伝統文化が世界で注目されている理由には、日本がつくりあげてきた価値観が混沌とした日々に忙殺される現代人に必要とされているからではないでしょうか。暗いニュースが多い最近の日本ですが、改めて自国の文化を見つめてみることで何か素晴らしい発見があるのかもしれませんね。
こんなところで、今回のCoffee Breakは終わりにしようかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。また次回のCoffee Breakでお会いしましょう。