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「芸術×ファッション」でファッション業界を先駆するルイ・ヴィトンの展示会、LV DREAM

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ルイ・ヴィトンは、革新的なデザインとアイディアでファッション業界を率いてきました。近年の草間彌生とのコラボレーションデザインも記憶に新しいですが、そんなルイ・ヴィトンが提供する展示会:LV DREAMが注目を集めています。

会場入り口の目の前には、草間彌生の巨大な像が設置され、LV×草間彌生の象徴であるドット柄が建物の壁を装飾しています。展示会場には6種類の部屋があり、デジタルアート、現代アート、アーティストとのコラボレーション作品、斬新なデザインの鞄や服など、それぞれに違った世界観を楽しむことができます。また、各部屋にはそれぞれの展示物の起源を記した説明書きがあり、ルイ・ヴィトンの歴史を辿ることができます。

展示会前に設置された草間彌生の像(EIS撮影)
LV×草間彌生コレクション(EIS撮影)
LV×草間彌生コレクション(EIS撮影)
目次

ルイ・ヴィトンとデジタルアート

最初の部屋に設置された、荒い大きなドットで表現された人物画と、細かなドットで波のように揺らめくデジタルアートで表現されているのは、ブランドを創設したルイ・ヴィトンです。ルイ・ヴィトンという歴史的ブランドを代表する人物を、あえて荒いドットや揺らめく波で表現することで、来場者にブランドの斬新性や親近感を与えているようにも感じます。この部屋では青や黄色の光のラインの壁紙に統一された空間と、波のように揺らめくデジタルアートが、鑑賞者を宇宙空間を感じさせる世界観に没入させます。

ブランド創業者のルイ・ヴィトンのデジタルアート(EIS撮影)
ブランド創業者ルイ・ヴィトンのNFTピクセルアート(EIS撮影)

芸術家とコラボしたルイ・ヴィトンの鞄

芸術家とコラボした鞄が展示された部屋では、鑑賞者は「使う」機能に留まらない〈芸術×ファッション〉の新しい領域を体感することができます。

18人の芸術家による鞄が展示されている傍に、上下のスクリーンでは作成した芸術家たちの制作風景や想いを伝えるショートドキュメンタリーの映像が流れています。来場者は一つ一つの展示物と各芸術家の映像をリンクさせながら作品を楽しむことができます。例えば、フルーツのレプリカを作成するアーティストとのコラボ作品では、白い手持ちバックにリアルなバナナとイチゴのレプリカが紐づけられています。ビーチや海にルーツを持つ芸術家によるサーフィンを連想させる鞄も展示されています。

サーフィンをイメージしたバッグ(EIS撮影)

同じ部屋の後方にはカラフルな光とポップな柄に装飾されたケースに、ルイ・ヴィトンの過去のコラボ作品が展示されています。中央に位置するのはSupremeとルイ・ヴィトンがコラボした際のボストンバックです。他にも、草間彌生とコラボしたボストンバックから、芸術家Manetの作品を大胆にプリントした鞄、アメリカの代表的なファッションデザイナーであるスティーブン・スプルースとコラボしたボストンバックなどが展示されています。

アーティストコラボルーム(EIS撮影)
EIS撮影

日本人アーティスト/デザイナーとのコラボレーション

近年話題の草間彌生とのコラボレーションはLV DREAMでも取り入れられました。LV DREAMでは、会場壁面の模様、草間彌生の巨大モニュメントの他、カラフルなドット柄の服や鞄、代表的なかぼちゃを活かした置き物等を鑑賞することができます。草間彌生とのコラボ作品が展示された部屋では、他日本人アーティストとの作品も展示されています。この部屋では、型にはまったデザインや機能に留まらない、ルイ・ヴィトンの革新性を感じることができます。

草間彌生コラボ商品(EIS撮影)

草間彌生とのコラボレーションは、2012年の最初のコラボレーションから2度目の実施になります。最新のコラボレーションでは、国際的に大々的なプロモーションが行われました。1月5日よりパリのシャンゼリゼ通りのルイ・ヴィトンストアは、巨大なサイズの草間彌生の像とカラフルな円形のデザインで装飾されています。ヴァンドーム広場に位置する店頭では、象徴的な作品であるかぼちゃの形をしたかつらを身に付け、水玉模様のドレスを着たクローンロボットが設置されています。アメリカのニューヨークでは、クローンロボット、草間彌生コラボのポップアップストアが設置されました。日本では、彼女の作品を取り上げた3Dデジタル広告キャンペーンが行われています。さらに、今回のプロモーションを促進させるために、ルイ・ヴィトンは拡張現実の無料アプリケーションも提供しています(「LV×YK」)。近年のコラボレーションでは、ペイントドット、メタルドット、インフィニティドット、サイケデリックフラワーなど、草間弥生を象徴するモチーフをあしらったコレクションアイテムが発表されています。

店頭に設置された草間彌生クローンロボット(左)/ LV DREAM展示中の草間彌生コラボゲーム(右)

ルイ・ヴィトンは過去にも日本のアーティストとのコラボアイテムを発表しています。例えば、日本現代美術を代表する村上隆はその例に挙げられます。村上隆とのコラボレーションでは、表情のあるお花のモチーフが代表的ですが、他にモノグラム・チェリー、マークジェイコブスと村上隆によって手がけられたモノグラム・パンダやモノグラフ・モフラージュ、モノグラム・マルチカラーも発表されています。これらの製品は非常に人気が高く、様々な作品やグッズのデザインで使用され、クッションやぬいぐるみも提供されています。LV DREAMの展示でも草間彌生コラボ製品展示と同じ部屋で鑑賞する事ができます。

村上隆コラボ作品(EIS撮影)
中央に展示されているBAG WITH HOLES(EIS撮影)

パティシエとのコラボレーションカフェ

もう一つの見どころは、併設されたコラボレーションカフェです。展示会場の2階には、セーヌ川を一望できるパリの都市型高級ホテル、「シュバル・ブラン パリ Cheval Blanc Paris」のパティシエであるマキシム・フレデリックと協働したカフェとショコラティエが設置されています。シュヴァル・ブランはLVMHホテルマネジメントによって開発されたラグジュアリーホテルブランドです。

展示を楽しんだ来場者は、トロピカルガーデンの中の邸宅をモチーフにしたカフェで、ユニークなお菓子やスイーツを楽しむことができます。フォトジェニックな店内とケーキに加えて、窓からはセーヌ川を眺めることができます。カフェの横に位置する、チョコレートを模した巨大なライオンの置き物が目印のショコラティエでは、チョコレートが販売されています。ルイ・ヴィトンのモチーフからインスパイアされたデザイン性のあるチョコレートは、まるでもう一つの展示室のようで、見ているだけで心が満たされます。

併設されているカフェで提供されている限定ショコラ / image source: LV DREAM

革新的な視点をファッション業界にもたらすルイ・ヴィトン

LV DREAMでは、ファッション業界を率いるルイ・ヴィトンの革新性を感じることができました。

具体的には「使う」、「着る」という本来ファッションが持ち合わせる概念を覆すような斬新な展示の数々が挙げられます。今回の展示の中で特に印象的だったのは、ルイ・ヴィトンとアーティストがコラボした作品です。例えば、川久保玲とのコラボ作品の鞄は穴が空いていて、本来鞄が持つはずのモノを持ち運ぶという機能を無視したデザインになっています。他にも、様々なアーティストが同じフォルムの鞄をデザインする展示室では、鞄に人の顔が描かれていたり、フルーツのレプリカが付けられていたり、機能より芸術性を重視してデザインされていました。このように、人間が持つ固定概念を覆す斬新な発想をファッションに取り入れることによって、ルイ・ヴィトンは時代を刷新する新しいアイディアを生み出していると考えられます。

他にも、歴史あるブランドでありながらDX化に積極的に取り組む姿勢にもルイ・ヴィトンの革新性を感じます。今回展示されたデジタルアートはもちろんですが、ルイ・ヴィトンの生誕200周年を記念したイベントにおいては、NFTを取り込んだゲーム(「LOUIS THE GAME」)が提供されるなど、最新の技術を取り込んだプロモーションが取り入れられました。歴史やブランドイメージを確立させながらも、時代に柔軟に対応する姿には、まさにファッション業界を率いるルイ・ヴィトンの先駆性を感じます。

革新的なファッションを体感できる展示会は2023年11月15日まで開催されています。最新のアートに触れる機会をお見逃しなく!

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