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急拡大するウェルネスツーリズムは日本再発見の絶好機

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コロナ禍を経て心身の健康にこれまで以上に気を配るようになった人々によってウェルネス分野に注目が集まっています。ウェルネスエコノミーと呼ばれる世界のウェルネス関連事業は2020年に一時的に減少したものの、それでも年間4.4兆ドル(約600兆円)にのぼり、2025年までは年率9.9%での成長が見込まれています。ウェルネスエコノミーと一口に言っても、多種多様なカテゴリーが含まれます。最も大きな市場を形成しているのはパーソナルケア・美容で、健康な食事・栄養素・ダイエットなど食に関するカテゴリー、運動と続きます。

image credit: Global Wellness Institute

中でも、今特に注目を集めている領域がウェルネスツーリズムです。ウェルネスエコノミーにおいては先に挙げた3分野に続く第4位の市場を形成しており、コロナによる大打撃からのリカバリーという下駄を履いているものの、2020年から2025年までに年率20.9%という驚異的なスピードでの成長が見込まれています。

image credit: Global Wellness Institute
目次

ウェルネスツーリズムとは

心身の健康の維持改善を目的とした旅行で、スパやマッサージ、瞑想、スポーツ、健康的な食事など、健康につながる様々なエッセンスを含んだものを指します。Global Wellness Instituteの調査によると、世界のウェルネスツーリズム市場はコロナ直前の2019年時点で7,200億ドル(約98兆円)で、世界最大のウェルネスツーリズム国であるアメリカは世界市場の37%を占めています。また、特筆すべきはウェルネスツーリズム旅行者の旅費の高さです。彼らは国内旅行の場合、通常の旅行者の2.8倍、海外旅行の場合でも1.5倍も多くの費用をかけています。

アメリカにおけるウェルネスツーリズムの現状

Canyon Ranch

アメリカにはウェルネスツーリズムに特化した高級施設が大自然やパワースポットに隣接した地域に数多く運営されています。Canyon Ranchはアリゾナ、マサチューセッツ、カリフォルニア、ネバダの4州でウェルネスツーリズム特化型施設を運営しています。利用者は滞在日数(3泊、5泊、7泊が定番で、カスタマイズも可)とテーマを選び予約をします。テーマはアリゾナ州ツーソンの施設の場合、リラックス、生活習慣リセット、ダイエット、アウトドアなど13も用意されています。費用は滞在日数やテーマ、時期によりますが、通常数千ドルに上ります。同社は近々テキサスに3店舗を新規出店予定で、事業を急拡大中です。

アリゾナ州ツーソン店 / image credit: Canyon Ranch
テーマ別に充実したプランが提供されている / image credit: Canyon Ranch

Golden Door

特定の文化をテーマにした施設もできています。カリフォルニア州サンマルコスにあるGolden Doorはアジア・日本をテーマにしたウェルネスリトリート施設です。フィットネス、スパ、食事・栄養、マインドフルネス、身体のチューニングなどのカテゴリーから80以上のメニューが用意されており、利用者は自身にあったプログラムを作ることができます。プログラムは最短7泊で$11,000からと非常に高額ですが、セレブからの支持が高く、顧客リストにはエリザベス・テイラーやオプラ・ウィンフリーなども名を連ねています。

Photo credit: Golden Door Luxury Resort & Spa
Photo credit: Golden Door Luxury Resort & Spa

これまで旅行業と縁がなかった企業もウェルネスツーリズム関連事業に進出しています。高級フィットネス・ライフスタイル企業のEquinoxは会員向けにハイキングやランニングなど運動をテーマにしたウェルネスツアーEquinox Exploreを提供、National Geographicも現地のエキスパートが引率するハイキング、サイクリング、カヤック、野生動物のサファリなどのアクティビティが含まれるウェルネスツアーを提供しています。

以下、EISの考察です

  • コロナを経て加速した心身の健康に対する投資熱と経済再開による旅行ブームが重なった結果、ウェルネスツーリズムは空前の成長期に突入
  • 日本は温泉、禅、精進料理などウェルネス関連の素晴らしいコンテンツを有しており、世界中からウェルネスツーリズム客を引き寄せることが可能。外国人の入国が本格緩和された今は多くの人々が日本への旅行を望んでおり、ウェルネスツーリズムで観光客を呼び寄せる絶好の機会
  • ウェルネスリトリート専用施設が増える中、差別化を考える企業むけに日本のウェルネス商品を海外に販売する機会も増加する。特に、日本の歴史や文化背景も絡めて紹介することでストーリー性が増す

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