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スターウォーズのホログラムが現実に? CES2023を賑わせた3Dディスプレイの今

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1/4から1/8に米国ラスベガスで開催された世界最大のテクノロジーショーCES2023。今年は出展者数3,200社、来場者数11.5万人と、オミクロンの影響で大幅な来場者数減となった昨年の4.5万人から大幅に回復しました。オールオンラインとなった2021年を除き過去10年以上に渡り毎年CESに参加してきたExa Innovation Studioは今年も現地に赴き、最新のテクノロジートレンドをウォッチしてきました。本日はCES2023の中でも一際勢いを感じたVR/ARおよびメタバースの中から、今後のトレンド転換となりえるインパクトを残した3Dディスプレイの最新事情について紹介します。

みなさんは映画スターウォーズシリーズの最初の公開作品「エピソード4/新たなる希望」でR2-D2がレイア姫のホログラムを映し出し、メッセージを伝えるシーンをご存知でしょうか?映画が公開された1977年当時、まさに未来の技術として驚きを持って受け止められた3D投影技術が今、現実のものとなっています。

今年のCESでまず注目を集めたのがソニーの空間再現ディスプレイ。15.6インチ版は2020年に発売済みですが、今回27インチのプロトタイプがお披露目となりました。ソニーの特徴はやはりクオリティの高さ。展示ブースで実際に体験しましたが、、細部まで精密に表現されたホログラムが目の前に飛び出してきて、思わず指で触ろうとしてしまいます。同社の製品に限らず3Dディスプレイは①視聴者の視線を正確に把握するディスプレイ上部のカメラ、②視線の情報をもとにリアルタイムに3Dの造影を行うAI、③映像を立体的に視覚に届けるディスプレイの3つの技術で実現されているのですが、ソニーはこの全てにおいてトップクラスの技術力を保有しており、それにより圧倒的なクオリティのホログラムを作り出すことができるのです。

なお、ソニーの他にもASUSとDIMENCO3D Game Marketといった企業が3Dディスプレイを発表しており、新たなトレンドを強く感じました。ただ、3Dディスプレイの普及には課題もあります。その一つがコンテンツ不足です。前述のソニーをはじめとする各社の3Dディスプレイは3Dコンテンツ(=3D情報を保持しているコンテンツ)に限られます。一方、You Tubeなど世の中に存在しているコンテンツの多くは未だに2Dです。3Dコンテンツを作成するためには費用もかかるため、コンテンツ不足をいかに解消するかはこの分野が躍進する上での重要なポイントとなるでしょう。

そんな課題に対し、2Dコンテンツを3D化してしまうという大胆な発想でアプローチしている企業がLeia Inc.です。同社の3D Lightfieldは今年のCESでコンピュータ・ハードウェア&コンポーネント、コンピュータ周辺機器&アクセサリー、エンベデッド・テクノロジー、そしてゲーミングの4部門でイノベーションアワードを受賞し、CES2023で最も成功した企業の一つになりました。彼らのブースでデモに参加して衝撃的だったのは、You Tubeの動画を瞬時に3D映像化して見せてくれたことです。他にもリアルタイムのビデオ会議映像を3D化し、目の前の人と直接話をしているような没入体験もできました。

image credit: Leia Inc.

ところで、同社の社名は冒頭にご紹介したスターウォーズのレイア姫に由来しています。1977年のスターウォーズ初公開時の衝撃から46年後の今年、「メタバースの民主化(Democrtizaition of Metaverse)」をビジョンに掲げる同社は、誰もがより手軽に3Dコンテンツにアクセスできることを目指した最新タブレット端末を世界中で発売する計画です。

目次

以下、EISの考察です

  • 従来のVRヘッドセットは高い没入感を得られる一方で、乗り物酔いに似た不快感を感じたり、ヘッドセットの重たさから長時間の利用が難しいなど広く普及するには越えなければならない課題が存在していた。その点、3Dディスプレイは上記の問題を解消しており、今後VRやメタバースの普及に大きく貢献する可能性がある
  • 一方で、現在各社の3Dディスプレイで投影できる画像・映像は3Dコンテンツである必要がある。世の中の大半のコンテンツはまだまだ2Dであり、今後3Dディスプレイの本格普及に当たっては3Dコンテンツの充実、あるいはLeiaのような2D情報から3Dを作り出す技術の普及が必須
  • 昨年盛り上がりを見せたメタバースはMetaの大幅な人員削減や、RobloxやFortniteなどに続く人気コンテンツが登場してこない現状からやや足踏み状態だが、3Dディスプレイなどメタバースに必要な技術はゲームや法人向けのユースケースなどを通じて引き続き進化を続けていく

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