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ライブコマースが変えるオンラインショッピングの形

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ライブコマースとは、ソーシャルメディアプラットフォーム上でライブ配信を通じてリアルタイムでブランド等の配信者が視聴者と対話をしながら、オンラインで製品を販売する行為と定義されています。ライブコマースは1990年代にアメリカで始まったと言われています。テレビショッピングチャンネルのQVCでは、さまざまなホストを用いて新製品を紹介し、タイムセールを実施していました。

現在では、ライブコマースは全く新しい形態に進化しています。現代のショッピングライブストリームは、インフルエンサー、専門家、その他のインターネット上のパーソナリティーを活用し、顧客とより密接に関係することが多くなっています。ライブコマースのトレンドはここ数年で新たな形をとっていますが、それでも国や地域ごとの消費者の嗜好によって、世界中で大きく異なっています。中でも、ライブコマースの二大発信源であるアメリカと中国には、多くの違いがあります。

目次

世界各国で様々な進化を遂げるライブコマース

なぜ、消費者はライブコマースに興味を持つのでしょうか?その答えは、誰にこの問いを尋ねるかによって全く異なります。2023年までに4.9兆元(約100兆円)予想される産業に貢献した中国の消費者にとっては、QVCなどライブコマースの原点に非常に近い、タイムセールに興味を示す人が多いようです。ブランド側が割引のタイミングや販売個数に制限を設けることが多いため、ライブ配信に注目することで大幅な値引き価格で商品を購入できることが多いのです。これは衝動買いを助長するだけでなく、割引を逃してしまうという消費者心理を煽っていることになります。その上、こうした割引に加え、イベントやインフルエンサーマーケティングを行うことで、購買意欲に関係なく、大量の視聴者を獲得することができるのです。この現象に対する消費者の関心を考えると、アリババのような中国の大手商社がライブストリームから購入までのシステムを大幅に簡素化したのも不思議ではありません。伝統的には、消費者はライブストリームを離れてわざわざ商品検索をかけ、別のホームページやショッピングサイトで購入する必要がありました。しかし今では、ライブ配信から離れることなく、あらゆる商品の購入がその場で可能です。その結果、高級品から生活必需品に至るまで、視聴者は「絶対に見逃せない特別な割引を受けた」と感じることができるのです。

Photo credit: The Guardian

中国の消費者がQVCのような伝統的なライブコマース手法に興味を示す中、アメリカの消費者は少し違った形でこのライブコマースのトレンドを受け入れています。米国のライブコマース市場は、コンテンツ、共有体験、ノスタルジックな活動を通じてユーザーを魅了する、とてもニッチなプラットフォームへと展開しているのです。アメリカの消費者はライブコマース上で割引無しの通常価格を支払うことが多く、コレクターズアイテム、トレーディングカード、ストリートウェアに関しては、小売価格よりも高い価格で購入するケースもあるようです。スタイルは違えど、ライブコマースは今後4年間でEコマース全体の20%を占める予想されており、この成長率を無視することはできません。

米消費者が商品だけでなく、ライブコマースに求めていること

アメリカではライブストリームショッピングがニッチな興味関心を反映して成長した結果、多くの新しいプラットフォームが誕生しました。これらのプラットフォームの中で最も注目すべきは、WhatnotNTWRK、そしてVerishopです。これらのプラットフォームはすべてロサンゼルス発で、購入される商品よりもライブストリームの実際のコンテンツに焦点を当てた、インタラクティブなライブショッピング体験を生み出すことに注力している企業です。

Whatnotは37億ドルの評価を受けており、コレクターや同じ考えを持つ人たちと一緒に「買ったり、売ったり、ライブしたり、オタクになれる」場所であると自称しています。NTWRKはWhatnotとも非常によく似ていますが、メインの商材はアパレルとフットウェアで、Verishopはファッションとビューティーに特化しています。これらのプラットフォームは異なるカテゴリーに特化しているかもしれませんが、最終的な目的は同じです。それは、eコマースを利用してインフルエンサーと交流し、コミュニティを育み、経験を消費者と共有することです。オンラインショッピングは、かつては顧客からブランドへの一方通行でしたが、今では顧客が売り手から学び、質問し、対話することができるようになりました。この現象の典型的な例がWhatnotのトレーディングカードパックの開封ライブで、これは「ブレイク」と呼ばれています。

ライブコマースが普及する以前は、ポケモンカードや野球カードなどのトレーディングカードは、友人同士で共同購入することが一般的でした。様々な種類のトレーディングカードをグループで購入し、友人と一緒にパックを開けて、より希少価値の高いカードを探すのが醍醐味でした。このような懐かしい体験が、今ではバーチャルでできるようになったのです。消費者はお気に入りのインフルエンサーのライブストリームを見て、トレーディングカードのパックをプラットフォーム上で直接購入します。そして、そのパックが開封されるのを、何百人ものトレーディングカード愛好家と一緒にライブで対話しながら見ることができるのです。誰もが幼い頃と同じようにパックの開封体験を共有できるだけでなく、コミュニティーのメンバーはポケモンカードの中で最もレアとされる「シャイニーチャリダー」を開封する瞬間を目撃できることもあります。このように、アメリカのライブコマースでは同じ興味・思考を共有する同志たちとのコミュニティーの場にもなっています。

有名インフルエンサーPokimaneがカードブレイクイベントで超レアなルギアのカードを引いた様子がTwitchで中継され、コミュニティから大きな反響があった。NTWRKやWhatnotでもこのようにカードブレイクが行われ、さらに売買がされている

「ブレイク」といったライブコマースの形は、パンデミックによって人々の交流がどのように変化したかをよく表しています。かつては対面でしか行われなかった多くの活動が、今ではデジタル化されています。パンデミック後の世界で起きた変化の中には、消費者がオンラインでより深いつながりを育み、誰もがコミュニティに属しているという真の感覚を得られるようにすることで、業界によっては良い変化や影響を与えるものもあります。

幼少期にベースボールカードなどを集めた経験のあるミレニアル世代にとって、ライブコマースでのブレイクイベントはノスタルジックという面からも反響がある

以下、EISの考察です

  • アメリカでは特に若い世代を中心にコミュニティを通じた消費が成長しており、ライブコマースもその流れを強く受けている、消費者にとってコミュニティへの参加が最も重要な要素となる中、単なる消費の場ではなくコミュニティを構築できるようなプラットフォームが成功を収めるだろう
  • ライブコマースに限らずオンラインショップは商品の購入をいかに消費者の体験に結びつけるかを考えなければならない。またリアル店舗でも同様のことが言え、体験型購買が小売店でもオンラインでもますます一般的になってくる

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