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Gucciに見る、企業のWeb3.0の戦い方

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このところ毎週のように、企業によるメタバースやNFTへの参入ニュースがインターネットを賑わせています。インフレに伴う企業利益の圧迫や仮想通貨市場急落など、参入の見合わせやスローダウンを考える企業が増えてもおかしくない状況ですが、むしろ企業による参入は加速するばかりです。これは、昨年までに同分野における技術開発やビジネスモデルの試行錯誤が進み、企業にとっては今こそがWeb3.0への参入に相応しいタイミングと見ている証拠だと言えます。また、たしかにバブルは過ぎ去ったと言えますが、結果として昨年見られた投機筋が一掃されたことで真にWeb3.0の未来を信じるアーリーアダプターたちが市場に留まり、企業としてこれらの新しいビジネス機会を試すにはむしろ雑音がなくなりいい状況になったとも考えられます。

しかし、ビジネスとしての土台が整い始めたことにより、新たに生まれる課題も存在します。それは、どのプラットフォーム、どのようなビジネスモデルが勝ち組かを見極めるということです。例えば、一般消費者向けメタバースで言えばFortniteRobloxがユーザー数の観点では抜きん出ており、企業による事例も増えていますが、これらはまだゲームの域を出ていおらず、未来永劫にわたってユーザー数が増加し真の意味でメタバースの将来を担うかどうかはまだ分かりません。要は、Web3.0にAmazonやFacebookのようなビッグプレイヤーはいないということです。では、黎明期にあるWeb3.0で、企業はどのように戦えばいいのでしょうか。一つのヒントをGucciから学ぶことができます。

目次

GucciのこれまでのWeb3.0に対する取り組み

GucciのWeb3.0の取り組みは2021年3月、メタバースのアバター向けにデジタルスニーカーを発売したのが始まりです。このスニーカーはNFTではなくVRChatRobloxで利用できるスキンと呼ばれる3Dアイテムでしたが、これらのアイテムを販売する場合の価格や購入者層を知る上では十分価値のある取り組みだったと言えます。

続いて2021年5月には、Roblox上にGucci Gardenという空間を期間限定で作り、本格的にWeb3.0に参入しました。Gucci GardenはフィレンツェにあるGucciの美術館のバーチャル版で、昨年メタバースで流行したギャラリー・パビリオン型の空間として2週間限定でリリースされました。このプロジェクトはRoblox上での企業の事例としてはかなり早いもので、Gucci創立100周年の記念プロジェクトとして世間の注目も集めたことから、結果として2,000万人以上を集客し大成功しました。

Roblox上のGucci Gardenの様子 / image source: Gucci

そしてGucci Gardenの経験を生かし2022年5月に、Roblox上に今度は常設スペースのGucci Townをリリースしました。中にはミニゲーム・カフェ・バーチャルショップが用意され、ショップではRobloxのアバターに着用できるGucciグッズも販売しています。ミニゲームは昨年後半から特にRobloxでの企業取り組み事例として流行しているフォーマットです。

Gucci Townの様子 / image source: Gucci
Gucci Townの様子 / image source: Gucci

その他にも、2022年2月にNFTメタバースのSandbox上に土地を購入したり、同じく2月にはSUPERPLASTICとのコラボプロジェクトであるSUPERGUCCIとしてNFT500個を発売するなど、その取り組み内容はプラットフォーム、ビジネスモデルともにバラエティに富んでおり、これらの活動を通じてGucciが得た経験とデータは非常に豊富だと思われます。

SUPER PLASTICとのコラボで販売されたNFT / image source: Vault Gucci

GucciはWeb3.0に対して特に積極的な企業の一社ですが、他にもBudweiserNikeなど、複数のメタバース、NFTプロジェクトに取り組んでいる企業は数多くあります。彼らに共通するのは、プラットフォームにしろビジネスモデルにしろ、一点張りはしないで次々と新たな試みに挑戦しているという点です。また、Web3.0ではDiscord上で直接ユーザーと対話することができるため、彼らの声を聞きながら次の取り組みのヒントを探すことができます。

以下、EISの考察です

  • 新たなビジネス機会であるメタバース・NFTではまだ勝者、勝ちパターンが見えていない。一方で、世界中のアントレプレナー、クリエイター、投資家がこのフィールドに関心と情熱を寄せ、未来を作ろうとしており、「勝ち筋が見えてから動き出そう」という姿勢ではWeb2.0で大きく遅れた二の轍を踏んでしまうリスクが高い
  • このような状況下では、小さな挑戦を複数走らせ経験値を貯めることで、今世の中の先端で何が起きているかを実際に体験して、真の勝ち筋が見えた時にその機会を逃さない準備を進めていくことが重要
  • 特にDiscordなどでユーザーと直接対話する機会を得ることは、感度の高い消費者がWeb3.0に何を期待しているのかを理解する上で大きな情報源となる
  • 自分自身がユーザーとして体験することは今すぐにでも始めることができる。メタバースのイベントに参加してみる、興味のあるNFTを買ってみる(幸い現在は価格もだいぶ下がっているので始めるにはいいタイミングと言える)など、実際に体験してみることで理解が深まる

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