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人材不足と人件費高騰がテクノロジー採用の追い風に

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アメリカは経済再開以降、かつてないほどの人材不足と人件費高騰の渦の中にいます。

求人件数は昨年後半に1,000万件を突破し、ここ数ヶ月は1,100万件を超えています。コロナ前のピーク時の約700万件と比較すると1.6倍にまでふくらんでいます。

2020年以降急激に増える、求人件数 / Source: Twitter

賃金上昇も急速に進んでおり、アトランタ連銀が毎月発表しているデータによると過去3ヶ月にわたり対前年同月比6%以上の上昇を記録、特にレストラン等で働く時給ワーカーの上昇が顕著になっています。

Source: Wage Growth Tracker

こうした状況は特に労働集約型産業やサービス産業のコスト上昇を引き起こしていますが、コスト上昇で済めばまだいい方で、必要な数の人材を採用できないという企業が跡を絶ちません。結果、街中の至るところで「We are hiring(採用中)」という看板を目にします。

企業にとっては非常に厳しい状況ですが、テクノロジーの採用という観点では絶好の機会とも言えます。特に、現在人材獲得に苦しんでいるのはこれまで人によるオペレーションに頼っておりテクノロジーの活用が遅れていた産業が多いため、それらの産業で一気にテクノロジーが採用される可能性が高まっているのです。本日は中でも労働集約型産業の代表である物流業界と、サービス産業の代表である外食業界で注目のテクノロジーをご紹介します。

目次

物流業界

近年、物流業界のテクノロジー進化で欠かせない役割を果たしているのがAmazonです。彼らは今年4月にAmazon Industrial Innovation Fundというフルフィルメント、ロジスティクス、サプライチェーンソリューションに特化した10億ドル(およそ1,300億円)のベンチャー基金を設立し、早速5社に出資を行いました。中でも、カリフォルニア州サンタクララに本社を置くVimaanは、在庫の入出庫、棚卸しをコンピュータヴィジョンで自動化するソリューションを提供しています。入庫時のラベル読み取りだけでなく、荷物の損傷も判定してくれるDockTRACK Palletはこれまであまりテクノロジーが導入されず人力に頼っていた入庫プロセスを劇的に効率化可能です。また、StorTRACK Airはドローンに搭載されたカメラで棚卸しを自動で行います。ラベルの読み取り精度は97%と極めて高い精度を実現しています。

(左)DockTRACK Pallet、(右)StorTRACK Air

外食産業

外食産業ではこれまで、ソフトバンクが出資するBear Roboticsなどに代表される配膳ロボットに注目が集まってきましたが、調理プロセスでもロボットの活用が進んでいます。カリフォルニア州パサデナのMiso Roboticsはフライヤーやグリルでの調理を行うFlippyを開発しました。AIを搭載していて機械学習も行うので、安全で効率的な動作をし、調理時間や温度を把握して、適切なタイミングで焼いたり揚げることが可能です。また、調理後に鉄板をヘラで掃除したり、油かすを網で掬ってくれたりと後工程も自動で行うため、大幅な省人化を実現しました。すでにホワイト・キャッスル(White Castle)、バッファロー・ワイルド・ウィングス(Buffalo Wild Wings)、チポトレ(Chipotle)、パネラ・ブレッド(Panera Bread)など大手飲食チェーンで採用されています。

Source: Miso Robotics

なお、Miso Roboticsはさまざまな産業の業務効率化に特化したロボット専門インキュベーターWavemaker Labsのポートフォリオ企業の一社です。Wavemaker Labsは私たちEISと同じエルセグンド市に本社を構えており、私たちもしばしば情報交換を行なうなど良好な関係を構築しています。

以下、EISの考察です

  • 人材不足や人件費の高騰はこれまで人の力に頼ったオペレーションを行なってきた産業におけるテクノロジーの採用を後押しする
  • 日本は現場ワーカーのレベルが高く、人の力でなんとかできてしまう範囲が他国に比べて大きいことや、米国などに比べて賃金の上昇プレッシャーが小さいことからギリギリまで人の力に頼ってしまうオペレーションを残そうとすることが予想されるが、海外勢が外的要因に耐えられずテクノロジーの採用を進める中で、結果としてテクノロジーの活用で遅れをとってしまうリスクがある
  • そのため、いますぐにテクノロジー採用の必要性がない場合でも、将来を見越して各社の技術の進化や他国の同業によるテクノロジーの採用動向に目を光らせておいた方がいい

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