新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済が再開しつつあるアメリカ。EISのオフィスがあるカリフォルニア州では、6月29日のコーヒーブレイク「アメリカの本格的な経済再開にみる、ポストコロナの世界」から更にワクチン接種率は上がり、7月26日現在、人口の64.2%が1回接種済み、接種完了は52.4%となっています。EISスタッフの間でも、失われた2020年夏を取り戻すかのように旅行計画の話題で盛り上がっています。
そんな中、一足先に1週間の休暇をもらい「サンフランシスコ〜ロサンゼルス、1号線の旅」をしてきたMay Hayashibeが、アメリカの旅行事情をご紹介します。
アメリカの広大さを体感できるロードトリップ
今回私が選んだのはカリフォルニア州のサンフランシスコからロサンゼルスまでを、CA-1(California State Route 1、カリフォルニア州道1号線)で南下するコース。CA-1は別名Pacific Coast Highwayとも呼ばれ、移動中のほとんどで太平洋沿岸の景色を楽しめるとあって、ロードトリップの人気ルートです。
サンフランシスコとロサンゼルスは直線で約560km、日本でいうと東京と兵庫くらいの距離にあります。内陸の5号線を使う最短ルートだと約610kmで6時間前後、CA-1を使うルートでは約730kmで9時間程で移動可能(いずれも渋滞無しの場合)。今回はまずロサンゼルスからサンフランシスコまで5号線で一気に北上し2泊。その後4泊(Santa Cruz、Big Sur、Morro Bay、Lompocに各1泊)しながらCA-1でゆっくりとロサンゼルスに戻るという旅程で計画しました。
広大なアメリカでは、次の目的地まで数時間かかり、その間、街もガソリンスタンドもないということも珍しくありません。今回のCA-1ルートは都市や街が近距離にありましたが、唯一Big Sur周辺だけは僻地状態。カーブの多い山道を電波もGPSも圏外という状況で1時間以上運転し、なんとかカーナビ無しで宿に辿り着かなければならないという、まさに秘境の地でした。Redwoodという北カリフォルニアに生息する杉に囲まれた深林の中をGPS無しで移動していると、五感が研ぎ澄まされていくようでした(因みにBig Surはパワースポットとしても有名です)。今回特に印象に残ったのがBig Surで、今度は数泊したいと思っています。
アメリカのロードトリップと言えばキャンピングカー
CA-1に限らず、アメリカでロードトリップをしていると、とにかくキャンピングカー(アメリカではRecreational Vehicle(RV))をよく見かけます。ホテルやモーテル等の予約に合わせて時間を気にしながら移動する必要がなく、気ままな旅ができることが最大の魅力。今回の旅でもあちこちでRVや、RV専用のキャンプサイトを見かけました。
ロサンゼルスでも庭先にキャンピングカーを駐めている家をよく見かけますし、複数家族やグループでキャンピングカーをレンタルし、国立公園やフェスに出かける友人たちもいます。アメリカ人に人気の夢の一つに「アメリカ中を車で周ること」があり、仕事を引退したら家を売り→キャンピングカーを購入し、夫婦でゆっくりアメリカを周る人たちもいるそうです。また大手スーパーマーケットチェーンのWalmartは「RV旅行者も大事なお客様」ということで、可能な限り駐車場でのRV宿泊を許可しています。このようにアメリカではロードトリップは珍しくなく、特にRVでの旅行はみんなの憧れでもあるのです。
2021年も引き続きキャンプ、ロードトリップが人気
2020年の新型コロナウイルスの蔓延やロックダウンに伴い、アメリカでも日本でもキャンプに出かける人が急増したと言われています。
アメリカの大手キャンプ場チェーンであるKOAの『The 2021 North American Camping Report』は、下記のような動向を報告しています。
- 2020年に4,820万世帯が少なくとも1度はキャンプをした
- うちキャンプ初体験だったのは1,010万世帯で、2019年に比べ5倍に増加
- 2020年にはキャンプのスタイルが変わり、RVの所有率が上昇
- 2021年はオートキャンプだけでなく、RVやグランピングによるキャンプ体験にも意欲あり
今しばらく国外や飛行機での旅行がしづらい状況が続きそうです。ロードトリップやキャンプは、大地や自然を全身で味わえる貴重な機会。EISにも毎月のようにキャンプに出かけているスタッフがいるので、私も負けずに今夏はキャンプにも励みたいと思っています。