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次世代環境ビジネスの行方を占う、バイデン政権の気候変動政策

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5月20日と21日の2日間にわたってG7気候・環境相会合がオンライン開催されました。「気候相」と題したG7閣僚会議が開催されたのは初めてで、各国政府の気候・環境対策への取り組み意識の高さがうかがえました。中でも注目を集めるのがアメリカ・バイデン政権の動きです。アメリカの気候変動対策への取り組みといえば、2020年にトランプ前大統領がパリ協定から離脱しこの分野における世界からの信用を著しく棄損しましたが、過去にはブッシュ政権時代の2001年に京都議定書から離脱したりと、大統領が変わるたびに方針が二転三転する気候変動対策はアメリカ政策の鬼門とも言えます。そんな中、今年1月に就任したバイデン大統領の目玉政策の一つがこの気候変動対策であり、就任半年で矢継ぎ早にアクションを起こしています。本日はこれまでのバイデン大統領の気候変動対策関連の取り組みの整理と、今後の課題、そして本政策の行方を左右する二人のキーパーソンについて解説します。

目次

バイデン大統領のこれまでの気候変動対策に関するアクション

バイデン大統領は就任初日1月20日の大統領令で、トランプ政権下で実施された環境に関する規制緩和全般の精査・見直しを各省庁へ指示しました。具体的には1)石油・天然ガスのメタン排出、2)自動車燃費、3)家電製品と建造物の省エネ基準、4)大気汚染の4エリアが対象となっています。また、翌週1月27日の大統領令では、ホワイトハウスに国内気候政策オフィスや、21省庁のリーダーで構成される国家気候タスクフォースを設置したり、化石燃料への補助金廃止など、早くも具体的なアクションを起こし始めました。そしてこれまでのところの最大の動きが3月31日に提出された新法案「American Jobs Plan」です。同法案は2.3兆ドルの雇用促進法案ですが、その中で自動車の電気化や電力インフラの再活性化などクリーンエネルギーインフラ・研究への投資拡大が明記されています。

バイデン政権の気候変動政策の鍵を握る二人

では、今後、アメリカの気候変動政策は誰を中心に進んでいくのでしょうか?鍵を握るのは国内政策と国際交渉を任された二人です。

国内政策担当:Gina McCarthy, National Climate Advisor

マッカーシー補佐官はオバマ政権で環境保護庁(EPA)長官を務めた米国きっての環境政策の専門家で、バイデン大統領が国内環境政策の調整役として新設した国家気候担当大統領補佐官に就任しました。現政権下で政府一丸となった気候変動対策がスローガンとして掲げられている中、その内部調整を迫られる重要な役職です。

国際交渉担当:John Kerry, Special Presidential Envoy for Climate Change

オバマ政権で国務長官を務めたケリー氏は今回、気候変動問題で他国との調整を図る大統領特使に就任しました。オバマ政権ではパリ協定批准に尽力するなど国際的な気候変動問題のスペシャリストの一人で、冒頭ご紹介したG7気候・環境相会合にもアメリカ代表として出席しています。最優先課題は米国の信頼を取り戻し国際的な気候変動枠組みを策定するなど国家間の協力体制を築くことですが、そのためにはまず国内政策が重要となるため、マッカーシー補佐官と密な協力関係にあります。

以下、EISの考察です

  • 今後のバイデン政権の気候変動政策の動向はマッカーシー補佐官とケリー大統領特使の二人の発言に注目
    → 環境・気候変動対策は関心が高い領域のため今後、国内政策および国際交渉に関して様々な人間の発言が取り上げられることが予想されるが、同分野の専門家であり大統領の意思決定に大きく関与している二人の発言こそが最重要
  • 環境ビジネスの観点では、まずは1月20日の大統領令で示された4分野に投資が集まる可能性大。より具体的にはAmerican Jobs Planの法案議論の行方を注視すべきである
  • 一方、インフラ投資計画の財源を賄う法人増税に反対する経済界と化石燃料が、重要産業に位置づけられている州選出の国会議員を中心とする議会の反発により法案成立はいまだ不透明。一方、同計画への賛同・反発の表明は企業・業界や各州の気候変動対策に対する積極性をはかるリトマス試験紙の役割もになっており、今後の環境ビジネスの震源地を占う意味で重要

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