2020年コロナ禍にオープンしたArea 15は、ラスベガスの中心地ストリップから1.5kmほど西にある注目のエンターテイメント複合施設です。施設内は魅惑的なディスプレイで溢れ、VRや五感を使った代替現実ゲーム、ジップライン、ゾンビハントや没入型映画館などユニークで非現実的な世界に浸れる多数のアトラクションがあります。
その中でも特に話題を読んでいるのが、2021年2月にオープンしたOmega Martと言われる最新インタラクティブ没入型アート施設です。
一見すると、入口は典型的なスーパーマーケットやコンビニのように見えるOmega Mart。しかし、奇妙で遊び心溢れた商品が陳列された店内の先には、想像を越えたミステリアスで壮大な空間が広がっているのです。
スーパーの店内にさりげなく仕掛けられた隠しドアやポータルを抜けると、4つのテーマエリアに繋がります。まるで迷路のようになったこの2階建てのバックスペースには、9つの隠し部屋と合計60以上の探索エリアがあると言われています。そこに展示されているインタラクティブなアートワークをじっくり鑑賞したり写真を撮る…だけでは最近巷でも流行っているインスタ映えするアートインスタレーションと同じなのですが、Omega Martは来場者が「社員」になることで没入型体験を加速させるという点で一線を画しています。
このOmega Access Cardを入場料とは別に$3で購入すると(オプション)、施設内のあらゆる場所に設置されているモニターステーションやコンピュータにQRコードをスキャンしたりカードをタップしてアクセスできるようになります。このカードによって、Omega Martの親会社であるDram Corp起きたCEO行方不明事件の謎を解明したり、神秘的な事業の真髄に迫ることができるのです。
感覚的には、壮大なアートインスタレーションの中にエスケープ・ルームがあるといった感じでしょうか。オンラインと実店舗にある手がかりの両方に隠されたヒントを探し出し、その謎に包まれたミッションを次々とクリアしていくことで、アートやOmega Martに秘められた意味やストーリーがより深く理解できるようになるという仕組みです。私自身もここを訪れる前は情報量も少なく、何が待ち受けているか全く想像できませんでしたが、知らず知らずのうちに没入型ストーリーテリング体験に引き込まれ、気付いたら2時間半も施設に滞在していました。
明日から開催されるCES 2023のために、ラスベガスを訪ねられる人も多いのではないでしょうか。あまり多くを語りすぎるとネタバレになるので、気になった方は是非この不思議なインタラクティブな没入型アートスペースを、ご自身で体験してみてください。