Showfieldsは2019年にニューヨークにオープンし、新進気鋭のブランドを視覚的にも楽しいインスタレーションと共に展示することでローカルショッパーから人気のセレクトショップになりました。トレンド発信地としても知られるShowfieldsが、今年の春に行われたリブランディングによって新しく生まれ変わり話題になっています。自ら「世界で一番おもしろい店」とマーケティングし、具体的には「ライフスタイル発掘ストア」として、ミッション・ドリブンなブランドの製品、アート、イベントをキュレーションし、実生活(IRL)で商品やブランドを発見できるようなストア体験を提供しています。
世界で一番おもしろい店?!に行ってみた
Showfieldsは、「世界で一番おもしろい店」という地位を獲得するために、様々な取り組みしています。厳選されたブランドセレクションも、店内に仕掛けられた様々な遊び心も、Showfieldsは他の店とは一線を画しています。店内に入るとレセプションに迎えられ、エレベーターで3階へと案内されます。3階では、パックマンやスペースインベーダーなどレトロスタイルのゲームが無料でプレイでき、買い物だけではなく買い物客がワクワクするリテール体験ができるようになっているのです。
アーケードルームを抜けると、各ブランドのコンセプトに合わせて作られた展示エリアが並んでいます。ブランドは頻繁に入れ替わり、その度にインスタレーションも変わるので、訪れる度に全く別のストアに来たような感覚になります。そして、豪華で精巧に作り込まれたミニストアを抜けると、店の突き当たりにはなんと滑り台がありました。
この滑り台を滑ると、2階にあるCBDラウンジに着きました。刺激的でワクワクが詰まった3階のフロアとは対照的に、いまCBD業界で最も勢いのあるブランドを試せるソファーやバーラウンジが併設されており、来客者がよりリラックスできる空間になっています。
そして1階はアート、デザイン、クリエイティビティに焦点を当てています。このフロアでは、訪れた人の創作意欲をかき立てるさまざまな商品だけでなく、「Le Jardin Des Arts」(アートの庭園)と題したアートギャラリーも併設しています。店舗は3階から1階への一方通行で、フロアごとに全く異なるコンセプトを持ち合わせたインタラクティブな体験型店舗によって、Showfieldsは世界で最も面白い店舗になる可能性を十分に秘めています。
ストアの成功を支えるブランドやアーティスト
従来のセレクトショップと比べると、Showfieldsが取り扱うブランドは一見バラバラで全く異なるように見えますが、以下のような複数のミッションに沿ったカテゴリーに分類されています。
- 黒人、先住民、有色人種(BIPOC)の創業者
- 女性創業者
- サステイナブル
- チャリティー/還元型
- 植物由来
- ローカルアーティスト/地元企業
店内の各ブランドブースには、そのブランドやアーティストの商品がどのような理由でShowfieldsで取り扱われているのかがQRコードと共に明確に提示されています。店を訪ねた買い物客は、そのストーリーや作り込まれたブースの世界観に魅せられて商品をより身近に感じることになります。また、Showfieldsのオンラインショップでも、これらのカテゴリーを利用して商品を分類したり検索することもできます。
ただの買い物以上のカスタマーエクスペリエンス
さらにShowfieldsでは、店頭で無料イベントを頻繁に開催しています。さまざまな業界のイノベーティブなブランドとのコラボレーションを通じて、消費者のクリエイティビティを刺激したり新しいアイデアに触れられるイベントスペースとしても機能しているのです。例えば、無料のフィットネスやウェルネスのクラス、子供向けのDIYアートやクラフトのイベント、さらにはアーティストによるライブパフォーマンスなどがこれまでに行われました。
小売業界の販売戦略が目まぐるしく変化し続ける中、我々はトレンドに留意しながらも、独自のスタイルで顧客の心を掴む仕掛けや取り組みをして差別化をする必要があるのではないでしょうか。取り扱うブランド、店舗で提供される物理的な体験、あるいは革新的な教育プログラムなど、Showfieldsのユニークなリテール体験を参考にしてみてはいかがでしょうか。