ミレニアル世代に続く「ジェネレーションZ」(GenZ)は、1995年から2010年の間に生まれた世代を指します。GenZは世界で約30億人存在し、米国では人口の30%を占め、独特な消費行動から世界中のマーケターの注目を集めています。高速インターネットやSNSを通じた情報収集が当たり前の世界で生まれ育ったこの世代は、デジタル上の情報よりは日常に根ざしたリアルな体験や価値を好み、SNSやオンライン・ゲームを通じて共通の価値観を共有する人々と距離も場所も関係なくデジタル上で繋がっていることで、今までの世代よりグローバルな考えを持つ傾向にあります。
その一方で、FOMO(Fear Of Missing Out:見逃す・取り残されることへの恐怖)の感情も強いため完全にはSNS離れができず信頼する人々とは常にデジタル上で繋がっているが、同時に自分の個性を称え本物を体験できる機会を得られる環境を求めています。その様な特徴を巧みに捉え、彼らが求めている世界観を演出する機能を実装したアプリがGenZの間では急速に人気を集める傾向にあり、投資家からの資金調達に成功しています。
GenZの間で注目されているアプリ・サービスの例:
- Dispo:次世代写真SNSアプリ。撮った写真は編集せず、翌日の9時に現像されて見られる仕組み。加工なし・ありのままで良いというリアルさが、 SNS疲れを感じるGenZを魅了
- Squad:最大9人同時にスクリーンシェアができる、特に10代女子にとても人気のSNS。Snapと提携してAR体験を向上させるカメラキットをローンチし、昨年12月にはTwitter社が買収を発表
- Genies:自分の3Dアバターを作られるアプリ。有名人やラグジュアリーブランドからアイテムを買って、カスタマイズが可能。金銭的に手の届かないブランドへの憧れや理想像をデジタルで実現
- Bunch:友達とオーディオまたはビデオチャットしながらグループでゲームができるアプリ。デスクトップではなくスマホ上でマルチプレイが気軽にできるのが魅力
- Lomotif:ミュージックビデオ編集アプリ。アプリ内で提供される音楽ライブラリとGIFを使えば、ハイクオリティかつSNSでシェアしやすい短編のビデオが簡単作成できる
以下、EISの考察です。
- GenZはオンライン/オフライン関係なく、友達やコミュニティとリアルタイムでつながりその場を一緒に楽しむ、「Living in the moment(この瞬間を生きる)」ということに大きな価値を感じる
- また、デジタルネイティブのこの世代は多種多様な情報を瞬時に確認することができるので、自分の知らない時代や世界に好奇心を持って受け入れる感覚を持つ。その中で自分の個性やスタイルを主張できる場を求めている
- 今後、GenZが大切にする世界観に着目した過去に流行った財・サービスのリメイクや、アナログとデジタルが融合した新たなサービスなどが多く出現することが予想される
参考記事
- Forbes
- Fortune
- Photos – Your Story, TechCrunch